フランス人社長・ベッカー氏と10周年の軌跡を振り返る
売り上げは100倍以上、思い出はプライスレス。JAPANNEXTの10年で変わったものと変わらないもの
2025年12月27日 10時00分更新
見た目がおもしろい製品の売れ行きは……
ベッカー氏:別の路線で印象に残ったものですと、ノートPCが3画面になる「Tri-Screen」モバイルディスプレーとかですね。出張の時とかにノートPCの小さい画面で仕事をするのは不便なので、それをどうやって解決するかをコンセプトにした製品です。ただ問題もあって、当時の技術だと1本のケーブルで2つの画面を出力することができなかったので、結局ケーブルが煩雑になって便利さが半減してしまいました。
ベッカー氏:10日間の出張で同じホテルで仕事をする、みたいなシチュエーションなら1回セットしてしまえば便利だと思うのですが、毎日持ち運んでいちいち準備して使うとなると面倒ですよね。とはいえ便利は便利ですし、当時できることは最大限盛り込んだので、おもしろい製品だったとは思っています。現在の技術だと2画面を1本のケーブルで使えるようにできますので、後継機種もそろそろ出したいと思います。
使用イメージはこんな感じ(関連記事:ノートPCを3画面に魔改造!合体型モバイルディスプレーは使いこなせば超快適)
ベッカー氏:あとは、はじめて出した49型のウルトラワイドモデルですかね。この製品は27型のWQHDディスプレーを横に2枚並べたサイズ感・解像度と同等の曲面ディスプレーです。このモデルについて友人には、「このディスプレーの唯一の悪いところは、便利すぎて普通のディスプレーに戻れなくなるところだ」と言われました。友人は在宅で当社の49型を使って、会社で出勤の日が辛く感じるようになりました(笑)。
――それはかなりの誉め言葉ですね(笑)。
ベッカー氏:自分でも非常に気に入っていて、このオフィスや自宅でも使っています。
Dual WQHD(5120×1440ドット)解像度の高性能ディスプレー「JN-IPS49G144DQ-HSC6-L」。アスペクト比は32:9で、16:9モデル2台ぶんの画面スペースを1台で確保できます
ベッカー氏:最後は、背面に迷彩柄を施したモデルですね。これはデザインで差別化しようと思ったモデルで、量販店などに持ち込んでもかなり喜んでいただけました。まあ、売れるかというとそれほどでもないのが実情ですが、おもしろいですよね。
――でも、店頭にこれが置いてあったら足を止めたくなるでしょうね。
ベッカー氏:奇抜なデザインの製品は、どうしてもトップの売り上げにはならないですね。うちではカラフルなモデルとかも出していて、いいねとは言っていただけるんですけど、なかなかご購入まではいかないというか。そういう意味では、昭和100年を記念して発売したレトロデザインのディスプレーも話題にはなりましたね(笑)。
サバゲ―フィールドでは見事に溶け込んでいたんですけどね。唯一無二なデザインなので、秘密基地づくりにはいいかも?(関連記事:迷彩柄のゲーミングディスプレーをサバゲ―フィールドに持って行き、映える写真を撮ってみた)
アスキー編集部の面々も興味津々だった、超お手頃なカラフルゲーミングディスプレー。間違いなく目を引く華やかさはあると思います(関連記事:あなたは何色を選ぶ? 5色展開の200Hzの23.8型ディスプレーが2万円台、どのカラーが好きか編集部でみんなに聞いてみた)
レトロデザインの「JN-V236G180F-RETRO」は、この見た目でゲーミングディスプレー。昔風の画面になるモノクロモードは非常にユニークですが、日常ではまあ、たしかに使わないかな……(関連記事:180Hzのブラウン管テレビ風ゲーミングディスプレー、昭和レトロファンの心にドンズバ)
――SNSの反応はどういったものだったのでしょう?
ベッカー氏:「どうせなら奥行サイズもブラウン管っぽくしてほしかった」みたいな声もありましたね(笑)。もちろん、売り上げと製品開発のコストを考えて、赤字にならないようにする必要があるので、どんな要望でもかなえられるというわけではないのですが、やはりみんながおもしろいと思える製品を作ることは、モチベーションの面でも重要だと思っています。
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