AFMF有効時のデータも比較
これより先の検証ではRadeonのAFMF(AMD Fluid Motion Frames)も併用する。FSR 2またはDLSSに対応したゲームではすべて“バランス”設定とした。ただAFMF利用時Radeon Software上でしかフレームレート計測ができず、結果としてPowenetics v2経由の電力データ取得も不可能になるため、AFMFを使用するRadeon勢のみRadeon Software経由のフレームレートである(つまり微妙にモノサシが違う)、という点は強調しておきたい。また、AFMF使用時の平均・最低フレームレートに関してはRadeon Softwareが出力するフレームタイムの生ログを元に算出している。
「F1 23」では画質“超高”をベースに異方性16X、DLSSやFSR 2“バランス”に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。ベンチマークコースの設定は“モナコ”+“ウエット”としている。
超高設定ではレイトレーシングも含むため、RX 7900 GREを含めたRadeono勢はフレーム生成なしだとWQHDで60fpsキープができない状態となる。F1 23ではついに先日のアップデートでDLSS FG対応が消滅したが、そのハンデを負っていてもRTX 40シリーズは強い。
しかしそのRTX 40シリーズをAFMFという技術の力でカバーしているのが今のRadeonだ。WQHDゲーミング向けのRX 7900 GREであっても、FSR 2とAFMFを併用することで若干カクつきはするものの4Kで遊べるパフォーマンスが期待できる。
前述の通りAFMF使用時はPowenetics v2からのデータを取得できないため、RadeonはすべてAFMF未使用時の消費電力とワットパフォーマンスを比較している。ここでも総じてRadeon勢の消費電力が高いが、AFMF使用時も実消費電力に大きな差が出ないことを考慮すると、AFMFを利用することでRX 7900 GREを含めたRadeon勢のワットパフォーマンスはGeForce勢に打ち勝つことができるだろう。ただ違うモノサシで計測した値を直接比較するのは避けたいので、この話は筆者の推測にすぎない。
「Cyberpunk 2077」では画質“レイトレーシング:ウルトラ”をベースに、FSR 2やDLSS“バランス”とした。RTX 40シリーズはDLSS FGおよびDLSS RR(Ray Reconstruction:レイ再構成)も有効としている。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
Cyberpunk 2077でもAFMFは非常に有用どころか、AFMFの助けがあって初めてRX 7000シリーズはプレイが成立すると言っても過言ではない。画質面ではDLSS FGに軍配があがるものの、ホットキー一発(Shift+Alt+G)でフレームレートがほぼ2倍になるAFMFは偉大だ。ただ最低フレームレートに関してはRTX 40シリーズが圧倒的に高いため、プレイの快適度を考慮するとGeForce勢に軍配が挙がる。
WQHDでRTX 4070 SUPERは平均・最低フレームレートでRX 7900 GREを圧倒しているにも関わらず消費電力は80W以上も低い。消費電力が高止まりしやすのはRX 7000シリーズの設計的な弱点であり、RX 7900 GREにもそれが継承されていると言っていいだろう。
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