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耳をすませば「ティロリ」がきこえる

神すぎる!マックポテトが揚げたてに復活する バルミューダ「リベイカー」

2024年02月01日 12時00分更新

苦境のバルミューダをリベイカーが救う?

 一方、会社としてのバルミューダにとってリベイカーは重要な戦略商品でもあります。同社一番人気のトースターシリーズのなかで「松・竹・梅」にあたるモデルを作って、顧客層の拡大を狙う作戦でしょう。どこかのブランドにならえば「Pro」「無印」「SE」ですかね。

Pro:BALMUDA The Toaster Pro
無印:BALMUDA The Toaster
SE:ReBaker

(※バルミューダではなく私が定義した位置づけ)

 そもそもバルミューダがいわゆるラインアップ戦略をとるのは今回が初。「普通の会社がやっていること」(寺尾社長)を普通にやることになったのは、2023年が非常に苦しかったからです。

 「まず、円安に一番影響を受けました。一時期に比べると原価が1.5倍くらいになっちゃってるので。もうひとつはコロナ明け。外向き需要の復活を逆に考えると、内向き需要をすごい先食いしたことになりますが、当時は売上がブーミーになっていたことに気がつけなかった。『やっぱブランド力だね』なんて笑ってたバチが当たったなと」(寺尾社長)

「『やっぱブランド力だね』なんて笑ってたバチが当たったなと」(寺尾社長)

 2023年にはスマートフォン事業からの撤退も負担になりました。

 「まあこれは我々独自の出来事ですね。ただ個人的にはバルミューダっぽかったなと思ってて。バルミューダは(ひとつの製品ジャンルに)定住しないで、一個のところで何かできたら次に移動して、とやってきた。スマートフォンもその流れのひとつで、非常に大きなチャレンジだった。悪目立ちもしましたけど、非常に自分たちっぽかったと思ってるんです」(寺尾社長)

 円安、コロナ明け、さらに新規事業の店じまいという3つのマイナス要因から、激しく落ち込んだバルミューダ。「数字や経営状況が痛んだあとに何をしていくかと言えば、まずはバランスを取ること」(寺尾社長)と考え、商品戦略として今回のリベイカーを作ったということです。今年度、国内向けにはリベイカーを含めて合計4つの新製品を発表する予定ということ。

 さらに今年度から本格的に狙っているのは海外市場の売りのばし。これまでは日本で作った製品の一部を韓国やアメリカなどの海外販路に乗せていく形でしたが、今年後半からは初めから海外を狙った製品を出す計画もあるということ。円安状況下、国内企業で数字を出しているのは半導体などの輸出系メーカーなので、経営上はそこもやや期待がもてるのではないでしょうか。

 今後は小型風力発電という新規事業にも挑戦して、再エネ市場を取っていきたいと熱く語る寺尾社長。そこは期待半分、心配半分という感じですが、まずはリベイカーです。家でマックポテトを食べるなら間違いなくこれだと確信できましたが、はたしてV字回復の立役者となれるでしょうか。

小型風力発電機プロトタイプ

 

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