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FRで直6ターボ搭載! イチバン買いのBMW「M2」をタレントの新 唯が試乗

2024年01月27日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

FRターボというスポーツカー好きのための構成

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エンジンルームをチェックする唯さん

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エンジンルームの様子

 気になるパワートレインは「M3」および「M4」の3L 直6ターボエンジン「S58型」に小変更を加えたもので、最高出力460PS/6250rpm、最大トルク550N・m/2650-5870rpmを発生。これを8段ATと6段MTという、2種類の変速機を介してリアに伝えられます。「FRなんですか!」と目を輝かせる唯さん。

 Mシリーズの上位であるM4にもFR設定はありますが、現在のBMWスポーツモデルでFRのみラインナップするクルマは、M2と唯さんお好みのオープンカー「Z4」のみです。ちなみに重量配分は50:50で、サスペンションは減衰可変に対応。このあたりの話はのちほど。それにしても、補強がすごすぎます! タワーバーを追加する必要はなさそうですね。

未来感溢れるカーブドディスプレイ採用のインテリア

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ドアの間口は広く乗降しやすい

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運転席に座る唯さん

 さっそく運転席をチェックしてみましょう。乗降性は乗り降りしやすいといったところ。ちょっとサイドステップが幅広ですが、問題はありません。

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運転席の様子

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ドア内貼りのラインがイイ感じ!

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夜になるとイルミネーションが点灯!

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シートも夜になると点灯する

 室内は上質にしてレーシー。最近の3シリーズと似ており、12.3インチのメーターパネルと14.9インチのディスプレイを統合したカーブドディスプレイを採用します。「薄い青色と濃い青色と赤色の斜めラインがカッコいい」と言うように、内張りには装飾がなされたほか、シートベルトにも3本線がしっかりと。イルミネーションも控えめでイイ感じ!

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ステアリングホイール

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クルーズコントロールスイッチ

 ステアリングホイールは太めで、唯さんの手はちょっと余る様子。ステアリングは手の平で動かせ、というBMWの主張を感じさせます。M1とM2というスイッチは、任意に設定できる走行モードスイッチ。左手側にはクルーズコントロールスイッチを配しますが、前走車追従はあっても渋滞ハンズオフや車線トレースはなし。

 車線監視などは用意されていることと、何より1000万円近いクルマなのに、500万円のBMWにも付いている装備がないのは、ちょっと残念に思ったり。ですが「そもそも、使いますかそれ?」と唯さん。「こういうクルマは自分で走らせてナンボじゃないですか?」だそうです。

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走行モード詳細設定

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BMWが推奨するROAD、SPORT、TRUCKの3モードも用意される

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公道では禁断のTRUCKモード

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エンジンやミッションだけでなく、ブレーキなども細かく設定できる

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オートマ時の変速パターンは3段階に設定可能

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セミAT時の変速パターンも3段階に設定できる

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シフトレバーにも変速パターン切替スイッチが用意されている

 走行モード設定は実に細かく、エンジンのレスポンス設定やダンパーだけでなく、なんとミッションの変速タイミングやスピードまで変更できるからあきれる次第。そのほか、DSC(横滑り防止装置)をオフにすると、10段階という細かい設定ができる「Mトラクションコントロール」が起動し、やろうと思えば簡単にテールスライドができる「ドリフト祭」が開催できるのだとか。素人がやるべきネタではありませんが、そういったオタク心をくすぐるあたり、実にわかっています!

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Apple CarPlayのアイコンはあるが、Android AUTOのアイコンはない

 スマホとの接続ですが、Apple CarPlayには対応しているもののAndroid AUTOには非対応。Androidは専用アプリを用いて連携します。USB端子はType-C形状。

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後席の様子

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後席に座った様子

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足元の様子。少し狭い印象

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後席の乗降性はあまり……

 後席は2座。よって5人乗りのクルマではありません。「足元はちょっと狭いかな」という唯さん。2ドアですので、当然乗り降りはしづらく、実用面という意味では同じ大きさでも4枚ドアのHonda「シビック TYPE R」の方が上回ります。たぶんお年寄りを乗せることは難しいのでは? それは2ドアクーペということから、わかりきっているのですが……。

街乗りからサーキットまでマルチに対応できるエンジン

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M2を運転する唯さん

 少し走り出しただけで、誰もがこのクルマのすばらしさが体験できるでしょう。過去、色々なBMWのシルキー・シックスに触れてきましたが、このM2は、どのエンジンよりもシルキーなのだから。綿で頬を撫でるときの気持ちよさに似たフィールは、極上のひとこと。これだけで、このクルマを買う価値はあります。

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とにかく、このエンジンが素晴らしい!

 さらに素晴らしいのは、4000rpmから上に踏んだ時の圧倒的なパワー! 「グワッ」と力強く背中を押されるフィールとともに、クルマは怒涛の加速をみせます。でありながら電子制御のおかげで、実にコントローラブル! 誰でも安心して踏めるクルマなのです。

 以前試乗したM4とは別物のクルマで、あちらはBMWらしい重厚感で楽しませるのに対し、M2はカジュアルに楽しめるのが実に魅力。1.7tもあるボディーとは思えない軽やかさと、M4よりも短いホイールベースにより、峠道が実に楽しいのです! 日本にピッタリのBMW、それがM2といえそう。

 乗り心地は実にフラットライド。「このクルマ、快適ですね」と唯さんはニッコリ。ドライバーだけでなく、パッセンジャーにも優しいクルマだったりします。さらにコンフォートモードでは排気音が抑えられて、静粛性が保たれているのもうれしいところ。とはいえ後席に座ると、相応の音が耳に入ってくるのですが……。

 お楽しみはスポーツモードプラス。サスペンションが一気に引き締まるとともに、アクセルレスポンスも俊敏。さらにアクセルオフしてのダウンシフト時に「バンバン」とブリッピング音の演出が加わります。「運転が上手くなったような気がして好きなんですよ」と、ブリッピング音によろこぶ唯さん。高速道路では、水を得た魚の如く快適なクルージングが楽しめます。

 電子制御のおかげで、怖さは一切なく、ドライバースキルを問わずに直6エンジンが堪能できるという、とんでもなく素晴らしいクルマ。それゆえ「イチバン買いなBMW」なのです。しかも、お好みで6速MTも用意されているというから、クルマ好きにはたまりません。どうです唯さん?

 「確かに良いクルマだと思います。でも、ちょっと刺激が足りないかな」。そう、M2の最大の欠点は、とんでもなく速いにも関わらず、とんでもなく扱いやすいがゆえに、物足りなさを覚えてしまうというところ。だから「街乗りは普通なんですね」という印象を抱きがちなのです。

 それゆえ、スポーツモードなどがあるのですが、それでも物足りなさを覚えてしまうのです。こうなるとトラクションコントロールをオフにして……となるわけですが、そういった演出の部分は、やはりスポーツカーに分があります。しかし、スポーツカーに乗ると渋滞時に「うるさいなぁ」とか「足が硬くてつらい」と思ったり。クルマ選びって、ホントに難しい! ともあれ、M2はいつでも戦えるオトナのクルマといえそうです。

 近年のBMWは電気に注力をしているのは誰もが知るところでしょう。一方でこういう素晴らしいガソリンエンジン車を作れてしまうところが、彼らの強味です。最高の掘り出し物を見つけた、そんな気分になったクルマでした。

■関連サイト

モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添えた。

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