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超私的ベストバイ・カー「シエンタ」は、独り身でも使い勝手のいい1台

2024年01月07日 15時00分更新

シエンタ

トヨタ/シエンタ(195万円~310万8000円)

 ここ数年、毎年やっている超私的ベストバイ・カー」の季節がやってきました。そこで今年も「2023年に取材したクルマの中で、もっともオススメできる1台」、名付けて「筆者的ベストバイ」を勝手ながら発表したいと思います!

300万円以下のクルマ探しは結構大変!?

 まずはこのベストバイの定義について。筆者的には「誰が乗っても&買っても不満が少なく、お値打ち感のあるクルマ」であり、具体的には「300万円程度の軽自動車を含めたコンパクトカーとSUV」が対象。スポーツカーのような趣味性の高いクルマは好きなのですが、日常の使い勝手において不満が出やすいため、対象から外してます。

 過去の受賞作は、2020年「日産/キックスe-POWER」、2021年「Honda/VEZEL」、2022年「Honda/FIT e:HEV RS」。振り返った今も「お値打ちのクルマだよなぁ」と自画自賛しております。ちなみに受賞したからといって、自動車メーカーには何1つ良いことはありません……。

 そんな権威ゼロの2023年版ベストバイを選出するにあたり、どんな300万円以下のクルマで何に乗ったか? と思い起こしたのですが、これが実に少ないことに気づきました。「手取りは増えないのに、普通車はみんな300万円をゆうに超える時代になってしまったんだなぁ」とボヤくわけですが、その中でありました。超お値打ちの300万円以下クルマが。それがトヨタの「シエンタ」だったのです

◆シエンタは使い勝手がよく、軽快な走りが楽しめる

 シエンタを選んだ理由。それは「7人乗りのハイブリッド車(最上位グレード)で310万円」というプライスもさることながら「めちゃくちゃ使い勝手が良いうえに、軽快な走りが楽しめる」という2点につきます。

シエンタ

トヨタ/シエンタ(195万円~310万8000円)

 シエンタは2022年発売のクルマ。「今頃? 今さら?」と言われるとホントすみませんでして。筆者は独身ゆえ「ミニバンに興味がなく、取材することをスッカリ忘れていた」に尽きます。正しくはミニバンを乗るたびに、子供の頃に描いた「幸せの家族像」を想起させるのです。筆者は「郊外に真っ白な家を買って、休日はミニバンに家族を乗せてディズニーランドへ行くパパ」になることを人生目標にしていたのですが、いまだ叶わず……。

 というわけで、苦い思いを感じながらシエンタをお借りしたわけですが、これが「いや、独り身でも十分に魅力的じゃないか」な魅力車だったのです。食わず嫌いはよくありません。猛省します。

シエンタ

全長4260×全幅1695×全高1695~1715mm

シエンタ

シエンタ

 まず「コンパクトなボディーサイズ」が魅力的。最近のクルマは拡幅傾向なのですが、一方で道路は広くはなっていません。ましてや駐車場も「1台でも多く停めさせて収益を上げよう」とばかりに、コインパーキングを中心に車庫幅は狭かったりします。

 ですがシエンタの全幅は1695mmと5ナンバーサイズですから、実に使い勝手が良いのです! 全高が1700mmあるため、1.55m制限のある立体駐車場に入れることはできないという点は、目をつぶることにします。

シエンタ

3列シートのシエンタ

シエンタ

3列目シートの背もたれを前に倒した状態

シエンタ

2列目シートを前に倒し、3列目シートを床下へ!

シエンタ

3列目シートを2列目シートの床下へ

 次に「コンパクトなボディーサイズでありながら、最大7人が乗車でき、しかもシートアレンジが多彩」であること。シエンタは5人乗りと7人乗りの2種類が用意されているのですが、秀逸なのは7人乗り。

 まず、3列目シートが2列目シートの下に収納できるという点がすごい! この状態でも荷物はいっぱい詰めるのですが、さらに2列目シートも運転席側に折りたたむように収納できるから、商用バンのような使い方ができるのです! 「荷物がいっぱい載せたいからSUVを選ぶ」という考えは、この時点で軽く吹っ飛びます。

シエンタ

2列目シート

シエンタ

プライバシーシェードも用意されている

シエンタ

USB Type-Cで充電可能!

 また2列目シートの乗降性がバツグンなうえに、足元が広いのも魅力的。チルトダウンとリクライニングができるだけでなく、7人乗り仕様なら前後にスライドだってできます。装備面でもプライバシーシェードが用意されているなど、快適性も十分。

 クルマを所有していると、想定していない人が乗ったりすることがあるのですが、これだけ広ければ文句を言われることはないのではないでしょうか? 個人的にはファブリックと樹脂という内装も好印象。こちらの方が気兼ねなく使えるんですよね。

シエンタ

運転席側に設けられたAC100Vアウトレット

 さらに「ハイブリッド車を選択するとAC100V給電ができる」のもすごい! この機能はトヨタのハイブリッド車では当たり前のオプション装備なのですが、走行中にノートPCなどを充電するのに好都合。もちろんエンジンを回せば停車中でも使えます。

シエンタ

パワーユニットは1.5L 直3ノンターボエンジンに交流モーターの組合せ

 走りも魅力的。ファミリーカーなので、スポーツカーのように攻めることはできないのですが、キビキビ走るので存外楽しかったり。パワーも十分で、軽自動車のような苦しい唸り声をあげることは少ないです(ないとは言わない)。

 個人的に「知る限り最高に使えるクルマ」と思った1台。仕事の足に好適で、ホントの事を申し上げると欲しい! のですが、乗るたびに「ホントは後席に子供がいて……」という辛い気持ちになるわけで。そうなると、モテるらしいミドルサイズSUVの方が……、でも高いんだよなぁ、とか思ったりして気持ちが落ち着かない今日この頃です。

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