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ゲームによっては大幅にfpsが向上!最新A580を含むインテルArc Aシリーズを横並びで徹底比較

2023年12月29日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ/ASCII
提供: ASRock/テックウインド

Cyberpunk 2077はA750のパフォーマンス向上が顕著

 重量級「Cyberpunk 2077」も試してみよう。画質は“レイトレーシング:ウルトラ”をベースに、XeSS“バランス”を明示的に追加した。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。

Cyberpunk 2077:1920x1080ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:2560x1440ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077:3840x2160ドット時のフレームレート

 このゲームは負荷が重い割に初期ドライバーでも動作するが、ドライバーの世代を重ねるごとにパフォーマンスが大幅に改善する傾向が観測できた。最上位のA770 16GB版でもXeSSを使って平均60fpsに届かないので、レイトレーシングはオフで遊ぶのが好ましい。

 ただレイトレーシングを有効化して観光することはできる、という感じだろうか。そして、このゲームではA770の16GB版が8GB版に対し明確なアドバンテージをみせている。差が出るのは解像度WQHDより上ということから、VRAMの搭載量が影響していることは明らかだ。ただA770の性能的にWQHDでも30fpsプレイが限界であるため、画質を下げる前提であれば特に16GBにこだわる理由はないのだが……。

BIOHAZARD RE:4はA770の8GBよりも16GBの方がカク付きが軽減

 同じく重量級の「BIOHAZARD RE:4」でも試してみよう。画質はレイトレーシングを含めすべて最高設定、かつFSR 2も“バランス”に設定した。ゲーム序盤で訪れる教会のある村〜次の集落へ続く道を移動した際のレームレートを計測した。

BIOHAZARD RE:4:1920x1080ドット時のフレームレート。これもv3490ドライバーでは不具合が出たため、値ナシとしている

BIOHAZARD RE:4:2560x1440ドット時のフレームレート

BIOHAZARD RE:4:3840x2160ドット時のフレームレート

 かなり重いゲームではあるが、Arc A770 16GB版であれば2023年春以降のドライバー環境であれば、フルHD&最高画質で快適にプレイできるフレームレートが出せるだろう。このゲームの場合VRAM搭載量が少ないとカクつきが出やすいことが筆者の経験から分かっているが、Arc A770でもこの通りとなった。

 事実A770 8GB/ A750では、v4255やv4644ドライバーではフレームレートが激しく落ち込んだ。特にA770の8GB版は16GB版に比べ半分程度のフレームレートしか出せていない。しかしv5081ドライバーに更新した途端、フレームレートが格段に向上。

 16GB版に比べると時々カク付くことは避けられないようだが、それでも雲泥のパフォーマンスが出た。慣れていないとドライバー更新は勇気が要るが、A770 8GB版やA750ユーザーで本タイトルのプレイヤーであればトライしてみると良いかもしれない。

Rainbow Six Siegeは最新ドライバーでA770がよりfpsが向上!

 最後に「Rainbow Six Siege」で検証しよう。このゲーム(DirectX 11版)は前回のドライバー比較検証でも新ドライバーのパフォーマンス改善幅が大きかったタイトルだが、その後はどうなのだろうか? という視点で再検証してみたい。

 APIは前述の通りDirectX 11、画質“最高”をベースにレンダースケール100%に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。

Rainbow Six Siege:DirectX 11、1920x1080ドット時のフレームレート

Rainbow Six Siege:DirectX 11、2560x1440ドット時のフレームレート

Rainbow Six Siege:DirectX 11、3840x2160ドット時のフレームレート

 初期のv3490ドライバーでは全く性能が出なかったが、2023年3月のテコ入れでパフォーマンスが改善。そこで終わりかと思ったらv5081でさらにもうひと伸びというミラクル。長くGPU検証をしているがここまで伸びた(=初期ドライバーが悪すぎた)例は初めてだ。

 A380より下では全く伸びていないが、これはXeコア数やメモリーバス幅等の要因が効いていると思われる。これまでに紹介したゲームにおいても、このRainbow Six Siegeと同レベルの熟成が他のゲームにも今後起こることを大いに期待したい。

予想以上に新製品のA580の高い性能を示した
着実にArcの性能は高まっっている

 以上でASRockのArc Aシリーズを使ったパフォーマンス検証は終了だ。こうしてドライバーの世代順にパフォーマンスを比較すると初期のArcドライバーは本当に酷い出来だったが、インテルが時間をかけて改善していったことが確認できた。

 ゲーミング目的としてはA770が理想だが、実売価格の安いA580のパフォーマンスが予想以上に良い(A750と差が小さいゲームもあった)ということが分かった点は今回の収穫といえるだろう。Arcのドライバーにはまだまだ改善すべき点があり、まだGeForceやRadeonに及ばない点もあるが、Arcという第3の選択肢が順調に育っている。Arc Aシリーズは実用的なGPUに育っていることは確かだ。

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