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さとるの自腹現地レポート(欧州バス編)

ヨーロッパ旅行を“激安“にする キング・オブ・長距離バス「FlixBus」の魅力

2023年12月27日 07時00分更新

文● 中山智 編集●こーのス

半年ほど先の日程でフランス国内のパリ→リヨンを検索すると10ユーロ以下と低価格で販売

フランスの南東部に位置する都市、リヨン

 いずれの路線も1万円以下で済んでいます。ちなみにFLiXBUSは20kgまでの荷物を預けることができるので、ほかの移動手段より断然オトク。時期が違うので単純に比較はできませんが、例えば2024年3月上旬にベルリンからアムステルダムへ飛行機で移動する場合、LCCで受託手荷物をつけると1万5000円から2万5000円くらい。鉄道だと6000円から1万5000円くらいかかります。

 ただし長距離となるとLCCと価格が逆転することもあり、たとえばバルセロナからベルリンへとダイレクトにLCCで移動しても1万5000円から2万5000円くらいです。なので筆者のようにリヨン経由でトータル29時間、114.48ユーロ(約1万8000円)もかけてバスで移動するよりはLCCで移動したほうがラクだしコスパも良くなります。目安としてFLiXBUSで移動してもトータルで1万円以上かかりそうな場合は、LCCを選んだほうが良いと思います。

乗車はQRコードを見せるだけと簡単
電源とWi-Fiは車両によって"あるかも"

 バスへの乗車方法も簡単で、指定されたバスターミナルやバス停で待っていればオーケー。チケットもメールや公式アプリでチケット用のQRコードを表示して、運転手に見せるだけです。ちなみにバスターミナルは郊外にあるケースも多く、深夜・早朝便の場合はタクシーなど移動手段を確保しておきましょう。

チケットはQRコードで、乗車前に運転手がスマホで読み込む

オープンスペースのバスターミナルや停留所が多いので、雨の日はちょっと大変

 また屋根のあるバスターミナルというのも少なく、野ざらしのバス停ということも多いのである程度、寒さ対策や防犯対策も必要です。女性ひとりの場合は深夜・早朝便の利用は気をつけたほうが良いと思います。

 バスの車内自体は2列シートのいわゆる日本の高速バスと同じスタイル。長時間乗るには正直厳しい感じです。バスによって異なりますが、充電用のUSB端子や電源が用意されています。ただし5路線乗ったうち電源があったのは3路線で、そのうち1路線は通電していませんでした。またWi-Fiサービスもあるはずなのですが、半分の路線で使えない状態でした。

2列シートが一般的なレイアウト

足下は広々とは言えないものの、狭苦しいというほどでもない。足下の壁側に電源とUSBポートがある

 なので電源とWi-Fiはあるかもぐらいに考えておいて、モバイルバッテリーや自前の通信環境を用意しておくのをオススメします。乗車時間が結構長いので、時間つぶしにスマホやタブレットを使いますので。

公式アプリは移動中にどの辺を走っているかや、遅延や早着もほぼリアルタイムで案内してくれる

 座席の指定は有料で、路線によっても異なりますがだいたい通常の席で2.99ユーロ。先頭席などは5.99ユーロと割高になっています。指定しない場合は、無料ですがランダムに割り当てられるか自由席となります。

座席を指定する場合は有料となる

 ちなみに、運賃の半額を支払うと隣席をブロックできます。2席あれば荷物を置いたりゆったり座れてラクチンなので、自分は15時間を越える乗車の2路線で隣席をブロックしました。道中はパソコンを開いたりとスペースがあれば結構楽しめますので。

運賃の約半額必要だが「Travel neighbour-free」を購入すると、隣の席をブロックして2席使える

 (次ページ:トイレはどうする?)

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