さとるの自腹現地レポ:聖地巡礼シリーズその1
【香港映画・聖地巡礼の旅】ダンジョンみたいな宿に泊まり、ジャッキー・チェン映画の聖地を探せ!
HISは「年末年始 海外旅行予約動向」を11月28日に発表しました。旅行先の予約者数ランキングではソウルが1位で、台北が2位と大きく順位を上げているほか、セブ島とケアンズが、前年11位以下からトップ10入りしています。
傾向としては、フライト時間が短く、直行便を運航している航空会社が多い都市が人気となっている印象。やはり割高となっている航空券が、旅先を選ぶ際のネックになっているようです。ただしこの条件に当てはまっているにもかかわらず、意外な都市がトップ10入りしていないことに気がつきます。
それは「香港」。
香港・バックパッカーの聖地「重慶大厦」
映画「恋する惑星」の舞台に行ってみた
確かに社会情勢などもあり、人気が落ちてきているのかなとも思いますが、アラフィフのオールドトラベラーである筆者としては、香港は海外旅行の定番中の定番ともいえる都市。そんな香港に、約4年ぶりに訪れてきました! 今回は1泊だけなので、香港旅行の定番ともいえるスポット、「重慶大厦(チョンキンマンション)」に宿をとることにしました。
重慶大厦は、香港でも有数の繁華街の尖沙咀(チムサーチョイ)の彌敦道(ネイザン・ロード)にある複合ビル。築60年の巨大なビルに、数多くの安宿が入居しており、世界のバックパッカーの聖地のひとつともいわれています。オールドトラベラーにとってはバイブルとなっている小説「深夜特急」や、90年代に大ヒットした香港映画「恋する惑星」の舞台にもなっている場所です。
実は筆者、重慶大厦の宿に泊まるのはこれが初めて。1階の商業施設で両替をしたり食事はした事があるのですが、宿には泊まったことがありません。というのも安宿がイヤだという理由ではなく、重慶大厦の宿はいくつか自分には合わない欠点があるんですよね。
まず、ビルの規模のわりに、エレベーターのキャパが少ないこと。複合ビルなので5ブロックにわかれていますが、エレベーターはそれぞれ2基ずつ。しかも奇数階と偶数階に止まるエレベーターに別れています。しかも時間帯によっては行列もでき、乗るまでに時間がかかります。
しかも、そんな状態なので、5階~8階などの中層階から降りようとすると、今度は上からの乗客で満員な事も多く、すぐには乗り込めません。運良く下から上に移動するエレベーターに空きがあった場合、それに乗り込んで一番上まで行き、そのまま乗り続けて一番下まで降りるほうが早い、という状況です。これが結構イライラしそうで避けていた、というのも理由のひとつ。
もうひとつは、チェックインのわずらわしさです。重慶大厦には数多くの安宿が営業していますが、オーナーというか、経営しているのは同じ会社というケースがほとんど。そのため、Aという宿を予約しても、実際はBという宿でチェックインの受付をするといった事がよくあります。
予約時に送られてくる指示が適当なことが多いのも特徴。そのうえ、ひとつのブロックやフロアに集まっているのではなく、重慶大厦のあちこちに宿が点在しているので、先ほどのエレベーター移動を、何度も繰り返すはめになるわけです。
実際、今回は「ナガランド ゲストハウス」という宿を予約したのですが、宿から送られてきたメールには「Dブロック17階に行ってチェックイン」と記載されていました。そこでDブロックの奇数階エレベーターに乗ったところ、なんとエレベーターは15階までしかありません。
これは香港のビルではよくあることで、あとから増築したのか、最上階までエレベーターがないビルがよくあります。そのため、15階から荷物を持って階段で上り、17階へと向かうことになりました。ちなみに偶数階エレベーターは16階まであったので、この場合、偶数階エレベーターに乗るのが最適ルートになります。
(次ページ:案内が変化していくダンジョンRPGみたいな宿)
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