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画像生成AIが爆速で進化した2023年をまとめて振り返る

2023年12月11日 07時00分更新

技術が急速に発展する一方、社会の受容は課題に

 こうして生成AI技術そのものがすさまじい速度で発展する一方、大きな課題として残っているのは世の中の受容です。

 たとえばボーカリストのDAOKOさんが参加しているバンドQUBITの新曲「Mr.Sonic」MVは、まだまだ制限の多い生成AIの動画を工夫して作られている斬新な内容になっています。しかし、YouTubeやX(Twitter)のコメントを見ると、MVに画像生成AIを使ったことを批判する声が海外からも少なくありません。

 一般ユーザーのなかにはまだ、適法かどうかというより、AIに対する感情的な忌避感が強い人もいるという印象です。

 生成AIについて現行法で基本的に運用することを決めた日本では、良かれ悪しかれ、法的には大枠についての結論がまとまりつつあります。今後の運用に向けて、法解釈の細かい議論に移りつつある印象ですが、それとはまた別に、社会的に生成AIがどう受容されるのかは、来年以降も引き続き課題になりそうです。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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