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やっぱりアトモスはいいぞ! ガールズ&パンツァー最終章 第4話は本日公開!

2023年10月06日 13時00分更新

『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話

決勝戦に向けたもうひとつの戦いは、聖グロリアーナ女学院と黒森峰女学園の間で

世界的に見ても最高峰と誇れる アクションシーンの完成度

 『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話の総カット数は1000を超えたという。柳野3DCGI監督によると、そのうちCGが使われているカットは800を超えたそうだ。また、『ガールズ&パンツァー 最終章』では第3話から制作方法を変えており、コンテなどで描かれた情報を一度3Dに置き換えて戦車の挙動、コミカルな演技などをブラッシュアップしていく手法を取っているのだという。

 水島努監督の了承はもちろん取っているが、柳野3DCGI監督のほうで提案し、こうしたらより魅力的なシーンとして描けるという提案もかなり多くしているそうだ。

『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話
『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話

黒森峰女学園と聖グロリアーナ女学院の対戦も、息もつかせぬ激戦に

柳野「戦車の細かい動きや発砲──仮に名前のないキャラクターが載っている戦車でも(戦っている以上は)本気で撃っているはずだという考え方で作ると、自然に演技ができてきます。映像の中で人物が生き始めると、ある意味勝手に動き始めるのです。これが今回できました」

 戦車のディティールがシリーズを通じて少しずつブラッシュアップしている点も見逃せない。「テレビ版から久しぶりに登場する戦車も何かしらの手が入っている」と柳野3DCGI監督は言うが、戦車に使われているナットの形状を変えるなど、パッと見ただけでは分からない細部の変化も加えたという。

 細かさという意味では、背景の変化にも注目だ。これまでもジャングルの対戦でよく見たら草が折れているなど、気づく人には気づく、気づけたらちょっと嬉しいようなこだわりがふんだんに盛り込まれていた。

 『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話の舞台は先行カットから分かるように雪原と砂漠が中心だ。ジャングルのような複雑さがないぶん、楽そうにも見えるが、実はそうではないという。吹雪や砂塵の中、戦車の位置関係が分かりにくくならないよう、ワンカット単位での調整が必要で、水島監督からもハードな要求があったという。

 柳野3DCGI監督によると、『ガールズ&パンツァー 最終章』では一人称での主観やカメラの回り込みなど、カメラアングルの自由度を上げている。さらに「本来はこういう表現をしたかった」という演出の意図を3Dにコンバートして反映していく手法を取ることで、演出としての映像の完成度を高めている。一人称視点のカットでは、音による補足は効果的で画面外から撃たれた弾丸の衝撃を感じるなど、すぐには観客が付いてこれなさそうな部分も理解しやすくなるという。こうした音による分かりやすさが加わることで「これまで以上に映像と音の完成度が高まった」とする。

 これに対して岩浪氏は「今までは、おたがいがドヤっと主張しあっていた面もあった。でも、今回は寄り添って作るしかない」とコメント。音響には、映像で何を語りたいのか、どんな情報があるのかを解析した結果が反映されているのだという。作品の中には、アニメだからこそできる表現も含まれており、アクションシーンの完成度については、国内外を問わずある意味最高峰と言ってもいいできになったと、自信を示していた。

『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話
『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話

視界の悪い雪原や砂漠での対戦の表現には苦労も多かったようだ。

 なお、柳野3DCGI監督は作品の中で特技演出も担当している。これは映像における足し算と引き算、つまり3Dの技術が最も効果的に生かせるように、不要な部分は削り、必要な部分のクオリティを上げるための判断をする役割だ。

 「3Dはものをいっぱい出せばいいというわけではない。絵としてどう見せるべきかを計算して、技術を効果的に使うにはどうするかを決める領域の仕事。師匠の板野一郎さんにもらったもの」なのだそうだ。また、ガールズ&パンツァーの現場は毎回大変で「全力を出し切って何とか納品を終えるという感じ」とコメントし、(本作でも)「結構な数のスタッフ、今まで以上の数のスタッフががんばってくれ、激しい戦いがあって何とか作りおえた感じです」と作業を振り返った。

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