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iPhone 15発売日のストにiPhone 12の電波問題 フランスでご難続きのアップル

2023年10月03日 08時00分更新

基準値越えはソフトウェアアップデートが原因か?

 欧州連合は単一市場だ。フランスが警告を出せば、域内の他の国も動く。ベルギー、オランダ、ドイツなども反応を見せているようだ。通常であれば、3ヵ月間域内の国から異議が出なければ、フランスが加える制限がEU全体に適用される可能性がある。

 このような動きに対し、アップルは他の独立した調査では基準を満たしていることなどを主張していたようだが、ANFRの発表から数日後、フランスを対象にソフトウェアアップデートで対応するとした(ANFRも9月29日、アップデート後のiPhone 12が基準内に収まったことを公表。ただし、すべてのiPhone 12ユーザーに適用させる責任はアップルにあるとしている)。

 フランスのデジタル担当大臣、Jean-Noerl Barrot氏は、発売後にデバイスメーカーのアップデートにより波動が変化することがあると語っている。そしてiPhone 12が基準値を上回ったのも、発売後のアップデートが原因だろうという見解を出している。なお、iPhone 12 Pro/Pro Max/miniと、同じiPhone 12シリーズでも他の機種は影響を受けていない。

 欧州がアップルをはじめ、米国の大手テック企業に対して厳しい姿勢で接していることはしばしば報道されている。フランスではiOSよりもAndroidのシェアが多い(Statcounterでは、2023年8月時でAndroidが65%、iOSが34%)ものの、iPhoneファンも多い。中国市場も穏やかではない中、アップルとしても西欧圏でのトラブルは避けたいところだろう。


筆者紹介──末岡洋子

HarmonyOS 4

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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