年齢が上がるとSNS利用に傾く
なぜ? スマホを持たないことでトラブルが起きた小中学生が34%
小学生は連絡・カメラ利用だが中学生は「SNS」
スマホを使いこなす小中学生が増えているが、実態はどうなのか。小中学生を対象としたニフティキッズの「ケータイ・スマホ」に関するアンケート調査(2023年9月)を見てみよう。
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「ケータイやスマホを持っているか」と質問したところ、全体の65%の人が「持っている」と回答。小学生よりも中学生のほうが持っていると答えた割合は多く、中学生では77%がケータイかスマホを所持していた。
キッズケータイなどのケータイを利用する子どももいるが、スマホの所有率のほうが高い。全体には中学生からスマホを持たせる家庭が多いようだ。
使用しているアプリについても聞いたところ、主な用途がLINEやYouTube、ネット検索という部分は共通していた。一方、小学生ではメールやカメラ、電話などを使っている人が多く、SNSは連絡手段として使用しているが、中学生ではTikTokやInstagramなどのSNS利用が多くなった。
SNSで学校の友だちとつながることでより仲が深まったか聞いたところ、学校の友だちとSNSでつながっている人の中で半分以上の人がより仲が「深まった」と回答。小学生では友だちとつながっていない人が38%と中学生よりも多くなっており、まだSNSを利用していない割合が多いと考えられる。
「スマホを持たないでトラブル」は34%
「子どもにケータイやスマホを持たせたほうがいいのか」と悩んでいる保護者は多いだろう。ケータイやスマホを持っていない人に、持っていないことで「トラブルが起きたことはあるか」と質問したところ、全体の34%が「ある」と回答。トラブルに巻き込まれた割合は小学生は30%だったが、中学生は47%と増えていた。
トラブル内容は、「LINEグループに入っていなくて連絡がこなかった」「話に入りづらくなった」「『まだ持っていないの』といじめられた」などの人間関係トラブル、「帰る時間が過ぎても連絡ができなくてトラブルになった」「持たせてくれなくて親と喧嘩した」といった家族間トラブルが多いようだ。
筆者の子どもの場合、中学生になると部活の連絡がすべてLINEになるので、LINEは使えないと困ったため利用し始めた。一方で、中学2年の今もLINEを利用していない子もいる。LINEは利用していても、タブレットやパソコンで利用したり、保護者のアカウントを借りて使っている子もいる。筆者の子どももiPadでの利用だ。
連絡を取るだけならキッズケータイでもいいし、LINEはスマホ以外でも使える。スマホには長時間利用や課金などの問題も出てくるので、家庭ごとにスマホは持たせるのか、LINEを利用させるのか、それぞれ個別に判断するといいだろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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