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停電したら自動点灯 Wi-Fi不要の音声操作LED電球「マジック バルブ ボイス」

2023年09月16日 12時00分更新

マジック バルブ ボイス

新製品のマジック バルブ ボイスの最終製品をいろいろな角度からテストしてみた

 今年は1923年(大正12年)に神奈川県を震源地として発生した関東大震災から、ちょうど100年の節目に当たる。関東大震災は当時から日本の中心であった首都圏に未曾有の大被害をもたらした我が国の災害史上特筆すべき大災害だった。

 政府は、関東大震災の発生日である9月1日を1960年(昭和35年)に「防災の日」と定めた。地震だけではなく台風、高潮、津波などの災害についての認識を深め、これに対処する心構えや物理的な準備をするための日として制定された。

 毎年9月1日を含む「防災週間」には乾電池や大型充電池、ラジオや多機能照明器具、スマートフォン関連商品や飲食料品などの商品に大きな注目が、集まりネット通販のサイトでも売れ行きが急増する季節でもある。

2011年以降40万台売れたマジックバルブの後継製品で、性能アップと音声対応が大きな特徴のマジック バルブ ボイス

音声コマンドに対応する「マジック バルブ ボイス」をテストした

 今回はそんな防災時の対処を平時から準備することのできる「マジック バルブ ボイス」と呼ばれる新製品を、開発元であるジーエムの協力で出荷前の最終モデルを提供いただいたので、当コラムでその概要をご紹介したい。

 マジック バルブ ボイスは先日、国内クラウンドファンディングのMakuakeで多くの支援者を集め263%の達成率で無事サクセス・イクジットした商品だ。また東日本大震災直後、電力不足から「計画停電」なる自主的停電の発生した2011年4月に、当コラムでご紹介した「マジックバルブ」の後継の音声コマンド対応機種だ。

 マジック バルブ ボイスは、簡単にいえばリチウムイオン充電池を内蔵し、標準規格の「E26口金」の付いた普通の昼白色の電球だ。普段の点灯時に自然に充電し停電したときは、自動的に停電を察知して点灯する。そしてソケットから取り外すと懐中電灯として使え、どこにでも持ち歩ける最新の実用ガジェットだ。

本体であるマジック バルブ ボイス以外の同梱品は、E26差込ソケットと吊り下げフック、そして取説だ

 40万台出荷した従来の「マジック バルブ」との最大の違いは、「人の音声コマンド」により起動するところだ。また緊急時にはマジック バルブ ボイスに「助けて!」と呼びかけることで点滅と共に「助けて!」というヘルプコールを内蔵スピーカーから72時間連呼してくれるSOS機能も搭載している。

マジック バルブ ボイスは、ジーエムが製造販売する2500mAhのリチウムイオン充電池内蔵の一見普通の電球だ

 同梱品には「マジック バルブ ボイス本体」と取説のほか、標準オプションとして壁面コンセントでも簡単にマジック バルブ ボイスを取り付けることのできる「E26差込ソケット」、停電時などにマジック バルブ ボイス単体をぶら下げて使える便利な「吊り下げフック」がパッケージされている。

 マジック バルブ ボイスの電球としての詳細スペックは、E26口金のすぐ上に記述されている。そして操作のため、3ポジションのスライドスイッチがマジック バルブ ボイスの側面に配置されている。3つの切替ポジションは「USB出力」「OFF」「ON/音声」だ。

マジック バルブ ボイス側面にある3段階の切替スライドスイッチ。通常は「ON/音声」位置で使用する。「USB出力」を選択すればスマホに充電するモバイルバッテリーにもなる

 USB出力はマジック バルブ ボイス内蔵の2500mAhのバッテリーを使用し、緊急時にスマホなどのデバイスに給電しスマホを充電するポジションだ。マジック バルブ ボイスを自宅内の天井電球コンセントや付属のE26差込ソケットを経由して使用していれば、常時充電されているのでもしもの場合には安心だ。

 OFFポジションは、名前の通りマジック バルブ ボイスの機能を停止する切替位置だ。電球として点灯せず休憩モードとなる。そして最後のON/音声の位置は、マジック バルブ ボイスが音声認識モードとなり発話者の発する既定のコマンドを聞いて対応する。

マジック バルブ ボイスの反対側には本体充電のためのUSB Type-CポートとモバイルPCなどに給電・充電するためのUSB Type-Aポートの2個がある

 3つの切替スイッチの反対側には、スマホへの充電時に使用するType-AのUSB出力ポートとマジック バルブ ボイス本体の内蔵バッテリーに充電するためのUSB Type-C入力ポートが、上下に並んで配置されている。

マジック バルブ ボイスを使って筆者のNothing Phone (2)に充電してみた

ごく普通のUSB ACアダプターを使用してマジック バルブ ボイスに充電中。赤いLED表示が緑に変われば満充電だ

 まずは一般的なUSB ACアダプターとUSBケーブルを使用してマジック バルブ ボイス本体に充電をする。もちろん充電はUSB Type-Cポート以外の天井などの電球ソケットやE26差込ソケット経由でも同様にできる。

標準オプションのE26差込ソケット(右)と吊り下げフック(左)

 実際の運用では、電球ソケットやE26差込ソケットにマジック バルブ ボイスの側面切替スイッチをON/音声位置に切り替えて充電しながら、もしもの場合を想定し待機するのが一般的だ。過充電は性能劣化の元なので、もしもの場合に確実に動作するよう3ヵ月に1回はAC/DCの供給を停止し、放電させることが大事だ。

停電時などにマジック バルブ ボイスを吊り下げフックを使って真っ暗なキッチンで使ってみた。これは便利かも

 付属品の吊り下げフックは給電機能のない単なる物理的なフック機器だが、停電時に灯りが必要な場所に自由に持って移動し緊急時の照明として使えるのは、なかなかありがたい。筆者宅では停電を想定してキッチン戸棚の扉のツマミに引っ掛けて、使用してみた。

 一方E26差込ソケットは、本体側面に電源オンオフスイッチがありマジック バルブ ボイスを装着しプラグを壁面コンセントに挿入して使用するイメージだ。マジック バルブ ボイス本体の側面にもON/音声スイッチがあり、両者のスイッチがオンの状態でマジック バルブ ボイスの電球は発光する。筆者はこの状態で音声コマンドで「消灯」を指示し充電しながら、もしもの場合に待機するスタイルにしている。

E26差込ソケットは電源オンオフのシーソースイッチを装備。マジック バルブ ボイスをしっかりと最後までねじ込む。壁面コンセントに挿して利用する

 一般的な住宅では天井の電灯用コンセントを除き、身長より高い位置に壁面コンセントがあるケースは極めて稀だ。また予め天井に設置されている「引掛けシーリング」にはすでに照明器具が取り付けられているケースがほとんどだ。床近くにある壁面コンセントにマジック バルブ ボイスをE26差込ソケットを介して上向きに取り付け、見下ろしてコマンドで指示するのもなかなかシュールだが、まぶしくて適当ではないと感じた

 引き続きE26差込ソケットを取り付けるコンセントを探してみたが、身長より高い位置にコンセントのあるケースは冷蔵庫や洗濯機専用とエアコン専用のコンセント以外は見当たらなかった。今回、幸いにもマジック バルブ ボイスはAC100〜240V対応だったので、筆者宅で余っていた天井に近いエアコン専用のコンセントにE26差込ソケットを使って、マジック バルブ ボイスを逆さまに取り付けた。非常灯としては邪魔にならず、なかなかベストな配置となった。

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