「言語はなぜこんなに多様なのか」言語の本質をめぐる長い旅は続く
そもそも、「言語の本質とはなにか」という問題に挑むことになったのが「オノマトペ」なのである。「げらげら」「もぎもぐ」「ふわふあ」など、日本人の生活に不可欠なアレだ。
オノマトペについて徒然に考えていたら、さまざまな問いが生まれた。オノマトペはなぜ音から意味がわかるのか、オノマトペは世界をどのように写し取っているのか、子どもはどうしてオノマトペが好きなのか。このような素朴な疑問を考えていたら、オノマトペは意味を音で表しているのだから異なる言語の間で共通のはずなのに、なぜ、外国語のオノマトペの意味はよくわからないのかと考えるようになった。「あとがき」より)
そこからさらに、「言語はなぜこんなに多様なのか」「なぜヒトだけが言語を持つのか」などの問題を経て、最終的には「言語の本質とはなにか」「人間の思考の本質とはなにか」という問いにまで発展していく。著者はそのプロセスを「長い旅」と表現しているが、だからこそ本書を手に取った読者もまた、ともに旅を続けていくことになるのである。
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言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)今井 むつみ、秋田 喜美中央公論新社
筆者紹介:印南敦史
作家、書評家。株式会社アンビエンス代表取締役。
1962年、東京都生まれ。
「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「東洋経済オンライン」「サライ.jp」「マイナビニュース」などで書評欄を担当し、年間700冊以上の読書量を誇る。
著書に『遅読家のための読書術』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(以上、星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、などのほか、音楽関連の書籍やエッセイなども多数。
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