液晶ディスプレーの駆動方式と言えば、代表的なものにIPS(In-Plane-Switching)、VA(Vertical Alignment)、TN(Twisted Nematic)の3つがある。それぞれ一長一短があり、用途にもよるがユーザーの好みも分かれる。そんな中、最近は「IPS BLACK」という方式を採用した液晶ディスプレーが登場している。
JAPANNEXTの「JN-27IPSB4FLUHDR-HSP」もその1つで、27型のIPS BLACKパネルを搭載している。本稿では、IPS BLACK方式の利点やJN-27IPSB4FLUHDR-HSPの特徴を紹介する。
黒色の再現性が高いIPS BLACK方式
まずは、従来のIPS方式についておさらいしておこう。液晶ディスプレーは、基本的にバックライトの光を液晶分子がさえぎることで、光量を調節している。各駆動方式はその液晶分子の配置や動かす向きが異なり、それによって長所と短所が分かれている。
IPS方式は、電極に対して水平方向に配置した液晶分子を、そのまま横方向に回転させることで光量を制御する。そのため、視野角はあまり影響を受けない半面、光が漏れやすく黒色の再現性が弱い。その弱点があるゆえに、コントラストも低くなりがちだ。
IPS BLACKはその光漏れを極力抑えることで、より暗い黒色が再現できる。IPS方式のコントラスト比は1000:1とするモデルが多いが、IPS BLACK方式を採用したJN-27IPSB4FLUHDR-HSPのコントラスト比は2000:1と倍にあたる。
また、従来のIPSよりも黒色が30%以上深みを増していると言われており、より際立った明暗を表現できる。つまり、IPS BLACKは視野角が従来のIPSと変わらず広く、より深い黒色と高い色精度を実現した方式という理解で問題ない。
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