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Bluetoothで聴けるカセットプレーヤー! 令和のWalkyが楽しい

2023年09月01日 19時00分更新

“水魔女”のサントラに付いてきた特典カセットがようやく聴けます!

最新のWalkyでカセットを「いい音」で聴く方法を探してみた

 AX-W10CにJBLのTOUR PRO 2を接続して聴いてみました。

 「水星の魔女」のカセットテープには作品のメインテーマである『The Witch From Mercury』が1曲、AB面の両方側に収録されています。フルオーケストラをバックに、イタリアのボーカリストであるClara Soraceが伸びやかな歌声を響かせる雄大な楽曲です。

 再生を始めるとカセットテープの「サーっ」というノイズが聞こえてきます。筆者もこの機会にとても久しぶりにカセットテープを再生したので、このヒスノイズや楽曲の再生がなかなか始まらない感じまでもが愛おしく思えます。

 『The Witch From Mercury』はそもそもCDで聴いた方が高音質ですし、Apple Musicなどスマホで聴ける便利な音楽配信バージョンもあります。でも、今さらカセットテープ再生と音質や利便性を比較することは野暮だと思います。AX-W10Cはむしろよく頑張っています。擬似的に再生される音楽のダイナミックレンジを広げる、「バーチャルサラウンド」の機能を搭載しているからです。本体側面のスイッチから機能をオンにすると、ボーカルやオーケストラのストリングスがきらびやかな印象に変わります。

有線接続のヘッドホンによるリスニングも満喫

バーチャルサラウンドの機能をオンにするとダイナミックレンジを広げて、より迫力のあるサウンドを再生します

 最近はイマーシブサウンド系のイコライザーを搭載するワイヤレスイヤホンも増えています。AX-W10Cのサウンドを一段とリッチに楽しむなら、イヤホンやヘッドホン側のイコライザーも積極的に活用するべきです。

 AX-W10Cは早送りと早戻しの機能は搭載していますが、テープ片面の再生が終わったら自動で巻き戻すオートリワインドには対応していません。本機の販売価格を考えれば無理もありません。両面に録音したテープをひっくり返して聴く手間もまたカセット再生の醍醐味です。

本体の側面に再生・録音や早送りのボタンを搭載しています

AUX(外部入力)にマイクを装着してカセット録音も楽しめます

 筆者が中学・高校生だった頃はCDの全盛期だったので、アーティストの作品をカセットテープで集めることを筆者はあまりしていませんでした。むしろカセットテープは録音媒体として活用していました。受験勉強の時期に夢中で聴いていた深夜ラジオの番組を録ったテープは、カセットデッキを処分した後も大事に残していたので、いまAX-W10Cを手に入れて再び聴けるようになったことがとても幸せです。

 海外に住む友だちにもらったタイの人気アイドル、タタ・ヤンのヒットアルバムなど大事なカセットテープの状態は幸いほとんど劣化していません。当時はお金がなくて買えなかった高級イヤホンをAX-W10Cに接続して30年以上も昔の音源を聴くと、あの頃過ごした時間が息を吞むほどリアルに蘇ってきて涙が出ました。

高校生・大学生の頃にカセットテープに録音して聴いていたラジオ番組がまたWalkyで聴けるようになって大満足です

 最近は新作を配信とカセットテープでリリースする海外の若手アーティストも大勢いるそうです。カセットテープを懐かしく感じる音楽ファンから、初めてカセットテープに触れる若い方にもAUREXの新しいWalkyを体験してほしいです。

 
製品ジャンル ワイヤレスカセットプレーヤー
ブランド AUREX
製品名 Walky AX-W10C
実売価格 8000円前後
トラック方式 4トラック 2チャンネル
音声再生 無線(Bluetooth)、有線(3.5mmステレオミニ)
実用最大出力 2.5W×2(32Ω)
電源 単3乾電池×2本
外形寸法 94W×121.5H×33Dmm
質量 約200g(電池含まず)
 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 
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