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日本ではやりたい放題なので自衛するしかない

気づかない自分が悪いのか!? ダークパターンのワナにハマってヒヤリ!

2023年08月29日 13時30分更新

日本でダークパターンは違法ではないのでやりたい放題
自衛が唯一の対策に

 2022年に東京工業大学の研究チームが発表した論文によると、日本の人気モバイルアプリ200本のうち、93.5%ものアプリにダークパターンが発見され、しかも複数の手法が使われていたそうです。もはやダークパターンは日常と隣り合わせ、ということになります。

 そんなダークパターンを危険視する有識者は少なくありません。経済協力開発機構(OECD)は2022年の報告書で、「消費者を欺き、操作し、被害を引き起こす可能性がある」として警鐘を鳴らしています。また、EUでは2022年に合意されたデジタルサービス法においてダークパターンを禁じています。

 米・カリフォルニア州も2021年から消費者プライバシー法(CCPA)にてダークパターンを禁じ、同国の他州も今後は同様の法律を制定していくと予想されます。日本でも2022年6月に施行された改正特定商取引法のなかで、ダークパターンについて触れられてはいますが、今のところ明確に禁じられたり罰せられたりした事例はないようです。

 ダークパターンが厳格に禁じられないのは、ダークパターンを使う側がフィッシング詐欺のように完全にユーザーを騙そうとするわけではなく、うっかりミスを喚起させるようなユーザー行動を促しているからです。

 たとえば今回の投稿者さんのケースでも、おそらくは最終的な決済手続きの画面には明確に「定期購入」と表示されていたハズです。投稿者さんがキッチリ確認していれば、定期購入を回避できた可能性は少なからずあったことでしょう。

 だからこそダークパターンを使う人たちは「確認しなかったアナタに非がありますよね」といった理論を展開でき、必ずしも法的に罰せられることがないのです。

 ECサイトなどでダークパターンのワナに引っかからないためには、まずダークパターンとはいかなるものかを事前に理解しておくことが必要です。相手の手口を知る、ということですね。家族や友人とダークパターンについて話してみるのもいいでしょう。

 そしてとにかく、購入決定や契約決定を急がないことに尽きます。煽るような文言に翻弄されないよう自分の意思を決定し、最終的に決済する際には購入条件や価格を必ず確認しましょう。

 今回の投稿者さんが感じたような悔しい気持ちは十分理解できますが、現状では自衛することが最大の防衛となりそうです。ダークパターンを使う“敵”の意図を読みきって、見事にヒヤリ案件を回避しようではありませんか!

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