折りたたみスマホが市場に増えてきた。この分野を切り拓いたサムスンに加え、モトローラ、Oppoやファーウェイといった中国勢、さらにはグーグルも参入した。しかし市場は全体の1.8%を占めるに過ぎない。ニッチからメインストリームになるには、あのビックネームが必要なのだろうか?
ラインナップ増えた折りたたみスマホ
それでも市場全体の2%以下
サムスンは7月末に韓国・ソウルで「Galaxy Unpacked」を開催。会場の前列を占めた超豪華ゲストもさながら、発表された折りたたみスマホ(「Galaxy Z Flip5」「Galaxy Z Fold5」)は、軽く、薄く、さらにヒンジも新しくなり、洗練されてきた。
2019年に初の折りたたみスマホを発表して以来、サムスンはこの分野を切り拓いてきた。5月の「Pixel Fold」の前には、「Razr」ブランドを復活させたモトローラ、Oppoなど選択肢が増えたこともあり、日本でも海外でも折りたたみ式を手にする人を見かける機会が増えてきた。
それでもこの市場はニッチであることに間違いない。IDCによると、スマートフォンの12億台の予想出荷台数のうち、折りたたみ式が占めるのはわずか1.8%という。最大の理由は価格だろう。Galaxy Z Flip5は999ドル、日本では約16万円、Galaxy Z Fold5は1799ドルで日本では約25万円、気軽に買える値段ではない。
最大の折りたたみスマホ市場は韓国から中国へ
折りたたみスマホは、フォームファクタの変化に乏しいスマートフォン市場において、消費者に”新しさ”をもたらした。開閉できるという特徴に加え、画面が大きいことからユーザーには利便性も提供する。閉じた時の通知の表示など、差別化も図りやすい。
実際に、Counterpoint Researchのユーザー調査によると、「次に買い換える端末として折りたたみ式を買うと思いますか?」という質問に対し、55%が「はい」と回答している(https://www.counterpointresearch.com/global-foldable-smartphone-market-continues-expand-underpinned-china/)。すでに折りたたみスマホを持っているユーザーになると、80%が次も買いたいと回答している。潜在市場は大きいと言っていい。
もちろんベンダーにとっては競争の場になりつつある。中でも、サムスンにとってはハイエンド分野での戦いにおいて重要な役割を持つ。一方でサムスンが直面しているのが中国系ベンダーのライバルの存在だ。IDCによると、折りたたみ式スマホ市場におけるSamsungのシェアは2023年は前年の79%から14ポイント減少して65%に。Oppoが17%、ファーウェイが10%という。中国は2022年、韓国をおさえて最大の折りたたみスマホ市場になっているそうだ。ここでSamsungの折りたたみスマホのシェアは18%、Oppo(38%)、ファーウェイ(25%)の後塵を拝している。
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