この性能でこの価格。コスパで選ぶならMAG CORELIQUID M360
このように、第13世代CoreのK付きはCPU特化のアプリケーションでは100℃に張り付くものの、MAG CORELIQUID M360ならゲームプレイ時で最大80℃、おおむね60℃で推移している。冷却視点でMAG CORELIQUID M360を評価するなら、十分な性能と言えるだろう。これなら不安なく利用できる。また、CPUクロックで見ても、マルチスレッド時で4.7GHzがかなり持続するので性能を引き出すという視点でも不足はない印象だ。
動作音は最大50.1dB。数値上50dBを超えたが、音の成分としては高音が少なく体感的なうるささは数値よりマイルドな印象だ。アイドル時は32.4dBで、これは暗騒音との差もほとんどない。たしかに動作音はあるが、ケースに収めれば漏れ出る音もかなり小さく抑えられるのではないだろうか。
なお、MAG CORELIQUID M360で組む際、とくに室温が高めの夏に気をつけたいのはVRM温度だ。本製品の上位グレードである「MPG CORELIQUID K360 V2」や「MEG CORELIQUID S360」は、水冷ヘッド部に小径ファンがありこれでソケット周辺を冷却できる。一方、MAG CORELIQUID M360にはそれがないので、ケースファンでエアフローを発生させVRMを冷却する必要がある。ケース標準付属のリアファンだけというのはやや心もとない。MAGシリーズのマザーボードは、とくにCPUソケット左のVRMヒートシンクが大きく、内部が空いているのでここにエアフローを作るのが有効だ。ラジエーターをケース前面に付けるなら、天板ファンを1基追加することでVRMを冷やせるだろう。
最後に、価格に触れたい。MAG CORELIQUID M360は比較的低価格な1万4000円前後で販売されている。コスパのよい簡易水冷CPUクーラーを求めるニーズはもちろん、MSI MAGシリーズでデザイン統一を図りたい方、「K」付きで組むにあたりはじめて水冷に挑戦してみようといった方にオススメできるだろう。
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