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楽天、ソフトバンクの“生成AI戦略”に注目【AIニュースまとめて解説】

2023年08月24日 07時00分更新

Stability AI、日本語に特化した汎用言語モデル「Japanese StableLM Alpha」を発表(8月10日)

LINE、日本語の大規模言語モデルをオープンソースで公開 商用利用も可(8月15日)

 日本語向けでオープンな活用が可能なLLMが相次いで公開された。

 Stable AIのモデルは日本語特化チャットボットを強く意識したもので、同社が開発中の「Stable Chat(日本語版)」に活用されるものと見られる。

 一方LINEのものはパラメータ数こそStable AIのものより少ないが、「出てくる日本語が特徴的」とも言われている。

 これらオープンなモデルを活用した独自サービスがどのくらい出てくるのかに注目している。ChatGPTのAPIを使ったサービスはもはやレッドオーシャン。それらとは違う価値を持つサービスを作るためにオープンなLLMを選ぶところが出てくるのは必然だ。その時、「日本語特化」という要素は良い切り口になりそうだ。

8月前半のまとめ:国内では楽天とソフトバンク、海外ではメディアの“AI戦略”が注目集める

 夏休みに入る時期ということもあってか、比較的おとなしい期間だったように思う。

 ただそれでも、OpenAIを軸とした提携は大きなトピックだろう。楽天にしろソフトバンクにしろ、具体的なサービス展開を語る段階ではなさそうだが、それぞれのビジネス特性に合った提携先を選んでいる印象はある。

 特に海外で加熱しているのが「メディアと生成AIプラットフォーマーの提携」だ。今の雲行きだと、良質な学習ソースを集めるのはどんどん難しくなっていて、「すでに払底している」との声もある。

 メディアの側も過去に「ウェブの無料モデル」に対して対応が後手に回った教訓からか、かなり積極的な策をとっている印象だ。

 では(本誌を含む)日本のメディアはどうするのだろうか? 日本語をよりたくさん学習したLLMが求められる中で、どう舵取りをするのかが、筆者の職業的にも気になってくる。

 

筆者紹介――西田 宗千佳

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。

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