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開発はオープンに、活用はローカルに

生成AI、無償提供の「Llama 2」「SDXL」が話題(西田宗千佳)

2023年08月03日 07時00分更新

 本連載では、ASCII.jpに掲載されたAI関連記事から、最近のAI事情を俯瞰していく。今回は7月下旬(7月16日から31日)の主なニュースを振り返ってみよう。

 大手の動きが特に激しかったが、一方で、生成AIの活用ルールについて枠をかける動きが明確になってきた点にも注目しておきたい。

Meta、次世代AI「Llama 2」を無償提供開始(7月19日)

 7月後半の大ネタその1。

 MetaはAI研究に非常に積極的な企業。AIそのものについては同社系SNSのモデレーションや、VR用HMD「Meta Quest」シリーズの画像認識などに活用する一方で、生成AIについては戦略が異なっている。プラットフォームとして早期にビジネス展開することよりも、研究成果を公開して活用する方向性にある。

 2023年3月に公開された「LLaMA」は非商用・研究目的として公開されたが、Llama 2については商用利用が可能だ。すなわち、Llama 2をベースに独自のサービスを使ってビジネスが可能になる。

 LLaMAを元にした生成AIの研究は多々あるが、今度は商用サービスの開発に着手できる点が大きい。

 ただし、Llama 2は「オープンソースの定義に反している」とも言われる。「Llama 2がオープンソースで公開」という記事見出しが多かった反動だろう。この話は、Llama 2を商用サービスに利用する場合、そのサービスの月間アクティブユーザーが「7億人」を超える場合にはMetaとのライセンス契約が必要になるところから出た話だ。確かに厳密な意味でオープンソースとは言えない。まあ、そうそう引っかかる条件ではないが。なお、Llama 2の「商標」については付与されていないので、商標侵害にもご注意を。

 また今回、Metaはマイクロソフトとの連携を強化。Windows上でのローカル動作に最適化され、Azure AIからも利用できる。メタバース上でのサービス連携など、近年両社は関係を強めており、その流れでのこと……と考えられる。

 なお、バージョン1にあたる「LLaMA」から「Llama 2」に表記が変わっているのだが、タイプしやすさという点で、ライターとしてはありがたいことだったりはする。

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