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〆切は9月30日――2022年度の作品も振り返ってみよう

JJPC 第8回全国小中学生、第2回高等学校プログラミング大会が開催

2023年09月05日 09時00分更新

Scratch、Python、Mindstormsなど、言語やテーマは問わないコンテスト

 小中学生を対象としたプログラミングコンテストである「第8回全国小中学生プログラミング大会」、そして、昨年度から併催される高校生らを対象とした「第2回全国高等学校プログラミング大会」の募集が開始された。今年度の〆切は9月30日とコロナ禍前と同じ年内〆切となっているので、応募を考えている人は注意のこと。

 JJPCは、PC・スマートフォン・タブレットで動作するプログラムやアプリ・ゲーム・ムービーなどのソフトウェア、ロボット・電子工作などのハードウェアを募集するもので、自身によるオリジナル作品であれば、使用する言語や作品の形式は一切問わないことが、大きな特徴。

 また、大会コンセプトとして「表現としてのプログラミング」を標ぼうしており、プログラミング技術だけでなく、「発想力」「表現力」「技術力」の3つを審査基準としている。テーマの指定はなく、いままで作ってきたプログラム作品をもとにして応募することも可能だ。詳しくは、公式ページの応募規約を参考して応募のこと。

■開催概要

大会名:JJPC 第8回全国小中学生プログラミング大会
       第1回全国高等学校プログラミング大会
主催:JJPC実行委員会
後援:一般般財団法人超教育協会
協賛富士通クライアントコンピューティング株式会社
   株式会社 PFU
協力:秋葉原プログラミング教室
審査員:川田十夢 AR三兄弟(審査委員長)
    安達真 株式会社グルコース代表取締役社長
    岩佐琢磨 株式会社シフトール代表取締役社長
    石戸奈々子 CANVAS代表
    (敬称略)
募集内容:PC・スマートフォン・タブレットで動作するプログラムや、アプリ・ゲーム・ムービーなどのソフトウェア、ロボット・電子工作などのハードウェア。いずれも使用言語や作品の形式は問いません。ただし、すべてオリジナルでプログラミングしたもの、または自身による改良に限ります。
審査基準:「発想⼒」、「表現⼒」、「技術⼒」
応募資格:6歳以上18歳以下(2023年4⽉1⽇時点)の⼩学⽣・中学⽣・⾼校⽣(⾼専⽣含む)。グループで応募する場合は3⼈以下。応募は1⼈(または1グループ)何作品でも可能
スケジュール(一部予定を含む)
    応募開始 2023年9⽉1⽇
    応募締切 2023⽉9⽉30⽇
    ⼊選作品発表 2023年11⽉1⽇以降
    最終審査会/表彰式 2023年11⽉26⽇(⽇)オンライン開催
JJPC公式ページhttp://jjpc.jp/

 JJPCは、地方自治体・団体等の主催によって全国各地で開催されているプログラミングコンテストと連携する「エリアパートナー」というしくみを持っている。また、大会を支援いただける協賛企業も募集中。さまざまな場面での露出のほかワークショップなどの開催も可能なので、あわせて詳しくは事務局が問い合わせ先となっている。

2022年度の優秀作はどんなものか見てみよう!

 これまでに、累計3000以上の作品が応募されてきたJJPCだが、それではどんな作品が応募されてきたのか? 2023年2月26日、JJPC 第7回全国小中学生プログラミング大会、第1回全国高等学校プログラミング大会の最終審査会が開催された。ここでは、以下、受賞作を紹介しよう(敬称略)。

【グランプリ】亀育成サポート機・平松夏々翔(中学3年生)

 家で飼っている子亀の育成を手助けするために作られた。Wifiモジュールでインターネットへ自動データ送信、3Dプリンターで1から設計した外装、各種センサー、エサあげ機構、水抜き・水入れ、Siri・LINE連携、本体のLCDディスプレイ表示など、あらゆる手が尽されている力作。エサあげや水替えをすると「ありがとう」と亀が返すので、亀とLINEをしているような気分になるとのこと。

【準グランプリ】虫の音・川口聡介(小学4年生)

 AIによる音認識機能を使って虫を教えてくれるアプリ。鳴く虫の音をインターネットで集めて、Teachable Machineを使いどの虫の音かを学習させてAIモデルを作った。1つずつこだわって作ったのでたくさんの虫についてデータを用意するのが大変だったとのこと。鳴き声を認識した虫は登録されコレクションできる。画面も分かりやすく「AI時代の虫の図鑑」に仕上がっている。

【最優秀賞・小学生部門】電線をつなげ・小久保昊哉(小学6年生)

 名前のとおり電気がテーマのパズルゲーム。6×6のマス目で特定のマスをタップして回すことで電線をつなげる。それを利用して左から右へ電線をつなげると、マスが消えて上のマスが落ちてくる。線をつなぐゲームと思いきや、いわゆる「落ちゲー」の要素もあるところがユニーク。何個かのマスを一気に動かせたり、連続でマスを消せたりと裏技がたくさんある。画面の色合いなども工夫されている。

【最優秀賞・中学校部門】ObotShooter・矢木彰人(中学3年生)

 一見横スクロールしながら敵を倒すアクションゲームだが、キャラクターは厳密な物理演算で動く独特な操作感となっている。工場の廃棄場に放り込まれたロボットになぜか電源が入るという世界観もある。ボス戦のカットでスローモーションになったり、細かな演出に力を入れたとのこと。独特の画面は階層ごとに色調が変わる。BGMも自作。

【最優秀賞・高校生部門】ケシバト・田方斡(高校2年)、柴田匠(小学4年)

 「ケシバト」(その名前の通り消しゴ厶を弾いてぶつけ合ってバトルする遊び)を3Dゲームにした作品。文房具が意思を持った世界で、主人公の消しゴムは文房具界の平和を守るため、敵の文房具を倒し、魔王であるハサミを倒しにいく。消しゴムの回転攻撃、下敷きを踏んでワープなど、さまざまな仕掛けがあるが、unityでの衝突判定やアニメーションで苦労したとのこと。

【特別賞】AIと対決小学生 外貨取引ゲーム・横田夏向(小学5年生)

 キャッチーな作品名が付けられているが、審査会の質疑応答でも、作者が外貨を含めたお金のしくみに興味を持ち取引ゲームにした意気込みの伝わってきた作品。5つの国の外貨を日本円で取引し、3年間で総資産アップを目指す。10種類あるイベントがランダムに発生。実際に起こりそうなイベントを検討し影響する比率を考えのだが楽しかったとのこと。

 なお、グランプリの受賞者には、副賞として富士通クライアントコンピューティングより「FMV LIFEBOOK UH90 i7搭載モデル」、準グランプリには「同CH75 i5搭載モデル」、優秀賞(小学校部門、中学部門、高等学校部門)の受賞者には、株式会社PFUより「Happy Hacking Keyboard Hybrid Type-S」(雪モデル、または墨モデル)が授与された。

【奨励賞】

 奨励賞の受賞作と受賞者は、以下のとおり。

「森を作ろうゲーム」岡田龍空(小学3年生)
「Watey・SpesDojo」川口明莉(小6)、馬場音和(小6)、宇枝梨良(小5)
「UniversalUtils」水城凌太(中学2年生)
「scratch card game」大石司(中学3年生)
「Chat & Race」ミシュースティン勇利(高校1年生)
「忘れ旅・山口温翔」(高校2年生)
「地震火災を防ぐ!ローバー遠隔操作システム・こうよう四十八組」
 川嶋宥翔・岸田健吾・團栗良太・吉川優冴(高校2年生)
※きのくにICTプログラミングコンテストSwitch Up WAKAYAMA 2022推薦作品}

 第7回の審査は、審査委員長として川田十夢さん(メディアアーティスト)、審査員として、石戸奈々子さん(慶應義塾大学教授)、安達真さん(株式会社グルコース代表取締役)、千代田まどかさん(ITエンジニア兼漫画家)、岩佐琢磨さん(株式会社シフトール代表取締役社長)によって審査が行われた。参加者によるプレゼンと審査員による質疑応答、同日開催されたクロストーク「AIと子どものプログラミング」のようすは、JJPCの公式チャンネルより動画アーカイブで見ることができる。

第7回全国小中学生・第1回全国高等学校プログラミング大会 最終審査会・表彰式

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