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至高の消費電力測定デバイス「Powenetics v2」を手に入れた

2023年08月08日 19時30分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

パッケージなんてモノはない

 Powenetics v2はプロがプロ向けに手間をかけて制作したようなデバイスであるためか、小洒落たパッケージすらない。筆者の品物はキプロスからの小包(EMS)で届いたが、箱の中に各種基板やケーブルが梱包材で包まれただけ(正確にはメインPCBだけはノベルティーのTシャツにも包まれていたが……)。筆者もこれまで色々なハードを購入してきたが、これほどスパイシーでエキサイティングな買い物体験は初めてだ。

至高の消費電力測定デバイス「Powenetics v2」を手に入れた

プレオーダー(5月初頭)を含めるとそこから1か月半程度で到着。外箱は既にそこそこのダメージを受けており、受領した際はかなりの冷や汗をかいた記憶が蘇る。ちなみに受領時に関税として9800円が徴収された。これで動かなかったら泣くどころの話ではない……

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梱包状態をまあまあ再現したもの。実際は緩衝材がわりにノベルティのTシャツ等やお菓子も入っていたのだが、だいたいこんな感じだ

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PCBやケーブルなどもすべてチェックして出荷しているらしく、袋の1つ1つに発注者の名(Katsuaki)が書かれていた

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Powenetics v2のメインPCB。電源ユニットからのケーブルを上側のコネクターに接続し、下側のコネクターからマザーボードやビデオカードにケーブルを引き出す

至高の消費電力測定デバイス「Powenetics v2」を手に入れた

一応開発中のデバイスであるためか、リビジョン番号はD(Development)付き。日付も今年4月という出来たばかりのデバイスだ

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Powenetics v2からマザーボードなどに引き出すケーブルは、両端がオスであることを除けば普通の延長ケーブルである

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メインパワーの計測は主流であるATX24ピンに加え、省スペースPCで利用が見込まれているATX12VO仕様の10ピンコネクターにも対応している

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CPU用のEPS12Vは3系統まで対応

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GPU用は8ピン×3系統と12VHPWR×2系統に対応。それぞれ上下のコネクターが電気的に繋がっているため、12VHPWRの1つから入力した電気を8ピンに振り分けるような機能はない

至高の消費電力測定デバイス「Powenetics v2」を手に入れた

PCI Express x16スロットからの電力を測定するためのライザーカード。PCATもそうだったが、ここが一番壊れやすいのでライザーカードは複数枚あると良い。Powenetics v2にはライザーカード1枚が同梱されるので、余分に欲しいなら別途オーダーが必要

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PCとの接続にはUSBケーブルを使用する。華奢なType-Cや壊れやすいmicro-Bではなく、頑丈なType-Bを使っている点は素晴らしい

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Powenetics v2の制御にはPIC32MZシリーズのマイコンが採用されている

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PCB裏側にはコネクターのペアごとにチップ抵抗がある。この抵抗に電気を流した時の電圧を測定することで、通過する電力を求めるという仕掛け(オームの法則だ!)。この点はPMDもPCATも同じ手法を採用している

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1つ1つ手作りしているせいなのか、届いた直後のPCBはどれもフラックス(ハンダ付けに必須の促進剤)が残っておりかなりベタつく。最初にやった事はフラックスクリーナーとブラシでベタつきを取ることだった

至高の消費電力測定デバイス「Powenetics v2」を手に入れた

ベンチマーク用リグとの接続。電源ユニットからのケーブルをPowenetics v2経由で繋げるだけなので難しい部分はない。ただ、INとOUTを間違えるとPowenetics v2が壊れるので、そこだけは3重4重のチェックをした

至高の消費電力測定デバイス「Powenetics v2」を手に入れた

PCI Express x16用ライザーも設置。Powenetics v2とは4ピンのケーブルで接続する。この点はPCATとほぼ同じ(というより、PCATは初代Poweneticsを参考にしてNVIDIAが自社用に開発したものだ)

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高価なPowenetics v2を適当に置いただけで運用するのは恐いので、ホームセンターの資材を使ってリグに固定。ちょっとケーブルを動かした程度ではPCBが動かないように固定した

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今どきの巨大なビデオカードはライザーだけでは支えきれないため、カードの下に木片などを入れる必要がある。写真では見えないがカードをリグにネジ留めするために長いスタンドオフ(40mm)を準備しておくことも重要。Powenetics v2を運用するには準備が欠かせないのだ

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