スピーカーとスクリーンデバイスの適切な配置関係が課題
筆者はHT-AX7による再生時に、ユーザーが「タブレットを構えるポジション」をどうするべきなのか迷いました。というのも、映画やドラマなど「動画を伴うコンテンツ」を楽しむ場合はフロントスピーカーとスクリーンのセンター位置を合わせないと、映像と違う方向から役者の声が聞こえてきて違和感があったからです。
スマホやタブレットをスタンドに装着したうえで、さらにHT-AX7のフロントスピーカーの天面に一式を乗せて鑑賞するという手もありますが、何となく不格好だし、タブレットやスタンドのサイズによっては足もとがグラついて不安定になります。
ソファやベッドにリラックスした状態で座りながら観ていたとしても、スマホやタブレットを手に持ったまま1時間近く映像コンテンツを視聴すると首や手に負担がかかるので、本機を繰り返し使いたい気持ちが薄らいでくるかもしれません。上品なファブリック素材を外装としたHT-AX7の雰囲気にマッチする「専用スタンド」がまずは欠かせないと思いました。
ソニーが本機のターゲットユーザーとして想定する、スマホやタブレットで楽しむコンテンツを「もっといい音で楽しみたい」と考えている方は必ずいると思います。このファン層をHT-AX7に引き付けて離さないためにも、ソニーは「ただスピーカーをつくっておしまい」にするのではなく、本機をより快適に、かつスタイリッシュに楽しめるホルダーやスタンドなどのアクセサリーも揃えるべきです。インテリアやガジェットの人気ブランドとのコラボレーションも有効だと思います。
ソニーが提唱するポータブルシアターシステムを新しいカテゴリーとして根付かせて、これからも長く続くシリーズに育ててほしいものです。
製品ジャンル | ワイヤレススピーカー |
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ブランド | ソニー |
製品名 | HT-AX7 |
直販価格 | 7万7000円 |
ユニット | フロントスピーカー 49×71mm(2基)、リアスピーカー 直径60mm(2基) |
Bluetooth | AAC/SBC |
連続再生時間 | 約30時間 |
外形寸法 | 306W×97H×123Dmm(フロント)、122φ×39Hmm(リア1個) |
質量 | 1.4kg(フロント)、295g(リア1個) |
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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