地道で根気がいる作業を丁寧にこなす
実際、どのように修理作業を進めるのか、ちょうどSurface Proの割れた液晶交換を行う作業を始めるところだったため、見学させてもらった。
用意していたのは、静電防止のストラップとIPA(イソプロピルアルコール)、そしてオープニングツール、ピック、ピンセットといった工具だ。
まず、スピーカーメッシュの位置からオープニングツールを滑り込ませ、少しずつ隙間を広げる。この後ピックを併用し、少しずつPSA(感圧接着剤)を剥がしていくという地道な作業からだ。
ヒートガンを使えばPSAが柔らかくなるため、確かに剥がしやすくなる。しかし、想定外の熱が周囲に伝わってしまうため、内部へとダメージが加わってしまう恐れがあるのがデメリットだ。そのため、Surfaceの修理ではヒートガンは使わず、オープニングツールとピック、そしてIPAのみで取り外しているそうだ。
割れた液晶が外せたら、今度は内部の清掃だ。ガラスの破片が入り込んでいないか、フレームが歪んでいないかなどをチェックしつつ、残っているPSAを丁寧に除去。再び新しい液晶を貼れるように準備していく。
PSAを除去できたら、パーツ棚から新しい液晶パネルを取り出し、接続。貼り付けて組み立てれば修理完了……となるのだが、貼り付ける前に必ず動作確認を行う。組み立て終わった後で画面が表示されない、タッチ操作ができない、といった不具合があれば、再び液晶を剥がすところから繰り返さなくてはならないからだ。
まずはコネクターを接続し、仮組状態で表示やタッチ操作といった簡単な動作を確認。問題ないようなら診断ツールキットを使用し、細部にわたり問題ないかをチェックする。
このチェックをパスしたら、最終的な組み立てとなる。
「受け付け時にデータ消去の同意は頂いていますし、データが残っているという保証はできないのですが、必要に迫られない限り、わざわざSSDを初期化したりはしません。とくに、今回の液晶交換のようにSSDに問題がない場合は、データを残したまま返却するようにしています」(佐藤氏)
本体交換となると絶対にデータは残っていないのだが、修理であれば、保証はないもののデータが残っている可能性がある。修理から戻ってきた後のソフト再インストール、データのコピー、各種設定の手間を考えると、これはかなりありがたい。
もちろんデータが残っているというのは、あくまでユーザーの利便性を考えた保証外のもの。あてにしてはいけないが、データが残っている可能性があるというだけでも助かる人は、意外と多いのではないだろうか。
最短即日返却も!? 急ぐ人なら「エクスプレス修理サービス」もあり!
修理期間は、受付から修理完了までで約1週間~10日ほど。そんなに待てないという人であれば、「ソフマップAKIBA パソコン・デジタル館」と「ビックカメラ有楽町店」限定となってしまうが、最短で即日、遅くとも翌日に修理が完了する「エクスプレス修理サービス」も用意されている。
追加料金として1万円が余計にかかってしまうが、急いで修理してもらわないと困る時であれば、利用する価値はある。
また、今回は個人向けの修理サービスとして紹介したが、個人だけでなく、法人モデルの修理受け付けも行っているとの事。Surfaceシリーズの故障で困っているのであれば、連絡してみるといいだろう。
今までSurfaceシリーズの修理といえば、マイクロソフトへ送ってリファービッシュ品と交換してもらうしかなかったが、より安価に修理してもらえるサービスが登場したというのは、素直にうれしい。しかも、純正パーツで腕の確かな技術者が修理してくれるとなると、安心感も大きく違う。
高い修理費を嫌い、軽微な故障のままだましだまし使っていたような人に、ぜひ試してもらいたい修理サービスだ。
(提供:ソフマップ)
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