週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

OpenAI、AP通信と提携し過去ニュースをトレーニングに使用

2023年07月14日 18時05分更新

 OpenAIとAP通信は7月13日(現地時間)、ニュースやサービスにおける生成AIの可能性を探るため、一部のニュースコンテンツと技術を共有する契約に合意した。

 米ニュースメディア「Axios」によると提携期間は2年。OpenAIはAP通信が保有する1985年以降のテキストアーカイブの提供を受け、AIのトレーニングに利用できるようになり、その見返りとしてAP通信はOpenAIの技術と製品に関する専門知識を活用できるようになる。なお、金銭面の合意内容は公表されていない。

両社の思惑が一致

 OpenAIにとってAP通信との契約は、GPTをより賢くするために喉から手が出るほどほしい大量のトレーニング用テキストを得るだけではなく、複数抱えている訴訟によってこれまで利用してきたテキストが利用できなくなった場合のリスクヘッジにもなるだろう。

 一方、AP通信がどのような技術を活用していくかは今のところ明らかになっていない。

 と言うのも、AP通信は生成AIに関する基準を現在も精査中であり、ニュース記事の作成には使用していないからだ。とは言え、AI技術自体は2014年より活用しており、企業の決算報告、スポーツイベントのプレビューやリキャップなどの分野ではAIを音声や映像の書き起こしに活用している。

 将来ニュース記事やサービスで生成AIを活用することになるかどうかは現時点ではわからないが、少なくともそのユースケースを収集することは目的の1つだろう。

 AP通信上級副社長兼最高収益責任者のクリスティン・ハイトマン氏は「生成AIはニュース業界にとって非常に重要な意味を持つ動きの速い分野」とし「AP通信は知的財産が保護され制作者が公正な報酬を得られるような枠組みを支持する」と強調、「(他の)報道機関はテーブルにつく必要がある」とAIとの共存を支持した。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう