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【腰痛持ち必見!】整体師が教える正しいゲーミングチェアの座り方とストレッチ

2023年07月03日 11時00分更新

 座り心地だけでなく、腰痛などカラダへの負担も軽減してくれるゲーミングチェア。しかし、ただ漠然と座っているだけではそのポテンシャルを発揮できない。間違った体勢で座ると、いくらいいゲーミングチェアをもってしても腰を痛めたり、肩が凝ったりしてしまう。

 そこで今回は整体師の先生をお招きし、ゲーミングチェアの老舗・AKRacingのフラッグシップモデル「Pro-X V2」(5万7800円)を使って正しい座り方や角度、そして座ったままできるストレッチを教えてもらうことにした。

コロナ禍になって腰痛が悪化した人、いるよね?

 筆者は数年前にギックリ腰をやって以来、慢性的に腰痛になってしまっている。読者の中にも同じ経験がある人がいるかもしれないが、テレワークになり「出社」という体を動かす行動がなくなったため、完全に運動不足になり、それが腰痛に繋がっている。実際、コロナ禍前はたまにギックリ腰をやるくらいで慢性的に痛いということはなかったのだ。

 当然、テレワークになっても1日10~20分程度のウォーキングくらいしておけばいいのだが、面倒くさがりな筆者にそれは難しい注文。なんせ、取材がない日は1日の歩行記録はスマートバンドによると300~500歩という有様。PCデスクの前とトイレの往復、もしくは冷蔵庫に飲み物を取りに行くくらいしか動いていないのである。以前は編集部と会社の往復で5000~8000歩は歩いていており、取材があれば余裕で1万歩は超えていた。

 そんな筆者の主治医としてここ数年、面倒を見ていただいている筆者の体を一番知る男、整体師の加瀬駿一さんにご登場願い、腰痛をできるだけ和らげる座り方をシチュエーション別に解説してもらう。

しおやき鍼灸整骨院の院長、加瀬駿一さん。東京医療専門学校を卒業(柔道整復師、はり師、きゅう師を取得)。資格を取得した後、しおやき鍼灸整骨院を開院。今年で10年を迎える

大前提として深く腰掛けること

 まずは加瀬さんにPro-X V2に座ってもらい意見を聞いた。「非常に座り心地が考えられたゲーミングチェアですね。仕事などをするときは深く腰掛けて骨盤を立てるのを意識したほうがいいでしょう。ランバーサポートとヘッドレストが優秀なので、これは取らずに着けておいてください。ランバーサポートは人によっては上下に調節して背骨がS字になるのを意識しましょう。椅子の高さも調節できるので、足が浮かない位置で使いましょう」とのこと。

 Pro-X V2はこのように体の負担を軽減する機能があるので、それを惜しみなく使っていきたい。

加瀬さんに快適な座り方を検証してもらった

 それでは、仕事&ゲーム、映画や読書、仮眠を取る場合という3つのシチュエーションごとに最適な座り方と背もたれの角度を検証する。

仕事やゲームのときはあまり角度をつけない

 それではおそらく一番多いシチュエーションであろう、仕事とゲームについて。まずは椅子の高さを調節してディスプレーが顔と平行になるようにする。首に負担がかかるので、顔が上や下を向かないようにするのが大事だ。

 背もたれはあまり倒さず(フルフラットを180度として100度くらい)、ランバーサポートを使って背骨がS字になるのを意識する。

 「仕事のときは画面の中の資料や写真を見るためについつい浅く腰掛けがちですが、浅い状態で背もたれに倒れかかると腰が伸びてしまうので、この体勢だとすぐに腰痛になってしまいます。この体勢だと背骨がCの字になってしまうので、肩こりの原因にもなります。背もたれはあまり倒さず背筋をのばすほうが首や肩への負担が少ないでしょう」と加瀬さん。

 まずは深く腰掛け、座骨(坐骨)で座るということを意識するといいようだ。「骨盤のど真ん中の骨を仙骨というのですが、ここで座ってしまうといわゆる“仙骨座り”という腰に一番良くない座り方になってしまいます。その仙骨の下に座骨があるので、ここで座るイメージですね」。筆者は仙骨座りになっていたようだ……。

 「よくみなさん、背筋を伸ばしましょうみたいに言うんですが、座骨で座って骨盤が立ってると勝手に背筋が伸びるんですが、普通の椅子で座骨を立てて座ると疲れるんです。背もたれの形状やランバーサポートなどで、その手助けをしてくれるのがゲーミングチェアなんです」。

 なお、Pro-X V2は肘掛けの部分が上下と内側外側に稼働するので、仕事やゲームのときは肘掛けをハの字にしておくと違和感なくキーボードを叩ける。

リラックスしたいときはヘッドレストも活用

 次はディスプレーで映画を観たり、電子書籍を読んだりとリラックスするシチュエーションだ。

 仕事&ゲームよりもやや寝かせた状態が、リラックスに最適な角度だとか。「骨盤を立てた状態でリラックスができるギリギリの位置です」と加瀬さん。角度としてはだいたい110度くらい(フルフラットを180度として)。たしかに映画館の椅子だとこのくらいの角度だ。

 「もうちょっと寝かせると、たとえば映画1本分見るのはキツイですね。ディスプレーの位置的にも首を持ち上げる形になりますし」とのこと。手を使わずに画面を見るという意味では、ベストな角度のようだ。肘置きの角度は任意だが、肘を置かなくてもリラックスできる。

 そしてヘッドレストに首を置くと姿勢良く、より快適に映画が観られる。

ちょっとうとうとしたい……
熟睡ではなく仮眠を取りたい場合

 お昼ご飯を食べたあとや、前日徹夜したなど、仕事中眠くなることはよくある。とはいえ、就業中なのでベッドに行ってガッツリ寝るわけにもいかない。そんなときは、20~30分程度仮眠を取ると頭がスッキリして作業効率がアップすると言われている。

 PCの前を離れずに仮眠を取りたい場合、どの状態がいいのだろうか? 「オットマンがあるなら180度倒してもいいんですけど、熟睡してしまう危険があります(笑)。足を降ろした状態で腰に負担なく短時間寝るならこの角度です。疲れずに寝られるかと思います。これ以上倒すと腰に負荷がかかりますので」。

 角度にして約130度くらいだろうか(フルフラットを180度として)。ディスプレーは見ない前提なので、頭の位置も気にすることはない。足はちょっと広げ気味にして、肘置きは逆ハの字かまっすぐにする。たしかにこれなら短時間睡眠のときでも快適だ。筆者なら爆睡してしまいそうだ。

腰のあたりに見える赤いものがランバーサポート。骨盤のやや上あたりに設置すると腰の筋肉を使わないで済む

座ったままでできるストレッチ紹介!

 運動不足気味な人(主に筆者)のために、加瀬さんにゲーミングチェアに座ったままできる、簡単なストレッチを教えてもらった。

 まずは首のストレッチ。これはとっても簡単。ヘッドレストに後頭部(首ではない)をグ~っと押しつけるだけ。後頭部を押しつけることで、前傾姿勢などで首が疲れたときにストレスが解消できる。

全力で後頭部をヘッドレストに押し付ける

 次に脇腹のストレッチ。片方の足をあぐらをかくようにして、その足とは逆方向(左足を上げていたら右方向)に上体を横に倒す。ラジオ体操で言うところの“横に曲げる運動”だ。前屈みや後ろに反るのはNG。あくまで真横に曲げよう。これでかなり脇腹が伸びるのでリラックスできるだろう。

体を横に曲げることで、脇の下から脇腹までを伸ばす

 最後に太ももの前側を伸ばすストレッチ。これは背もたれを大きく倒し、椅子に座っていると固まりがちな太ももの前側を伸ばすことで、足の動きを良くしていく。筆者は体が硬いので、非常にきついストレッチだったが、足が伸びると気持ちイイことは確かだ。

体が硬い人にはだいぶ厳しいが、ストレッチはコツコツ続けることが大事

 最後に加瀬さんにゲーミングチェアの座り方にアドバイスをもらった。「今回のPro-X V2もそうですけど、ゲーミングチェア自体が長時間座れるように設計されているので疲れづらいのは間違いないでしょう。でもやっぱり同じ体勢でいるというのは、血行が悪くなったり使っている筋肉が決まったりと体に負担がかかるので、月並みですが1時間に1回は立ち上がって伸びをしたり、それこそ(前述の)ストレッチをするということを取り入れましょう。腰痛や肩こりに悩んでいる人には効果的です! あ、末岡さんはそもそも運動してください」。肝に銘じます!

 腰痛や肩こりに悩んでいる人は、ぜひ今回の記事を参考にしてほしい。

■お店紹介──しおやき鍼灸整骨院

住所:千葉県市川市塩焼2-2-71(東西線 妙典駅から徒歩7分)
電話番号:047-399-1777
公式サイト:https://sioyaki-seikotsuin.com/

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