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【実機レビュー】レトロで高品質なポータブルレコードプレーヤー「サウンドバーガー」

2023年06月22日 20時05分更新

 本製品を初めて使う際にはマニュアルをよく読むことをオススメいたします。というのも、輸送時にトーンアームを固定するためのネジをはずしたり、カバーを開けるためにオープンボタンをスライドさせたり、45RPMアダプターでレコードを固定するなど、マニュアル未読ではわからない操作がいくつかあります。力任せに動かすと壊しかねない部分もあるのでご注意ください。

トーンアーム固定ネジをはずしたら、USB Type-C経由で充電。充電完了したら上面のインジケーターが消灯するので、オープンボタンを手前にスライドさせてカバーを開け、トーンアームを一番右まで移動させます

45RPMアダプターをはずしてからレコードを乗せて、今度はレコード中央に45RPMアダプターを置きます。その後カバーを閉じてから、電源ボタンを押します

側面にあるコネクトボタンを約2秒長押しするとBluetoothのペアリングモードに入るので、Bluetoothスピーカーやヘッドフォンなどもペアリングモードを起動。正常にペアリングが完了すると、電源インジケーターがゆっくりと白く点滅します。最後に針先に付いているプロテクターをはずせば、セットアップは完了

トーンアームを移動させるとレコードが回転し始めるので、針先をレコードに静かに下ろせば音楽が再生されます

2回目からはスムーズにアルバムを再生できますよ

 初回には最初だけの作業が挟まるのでメンドーに感じますが、2回目からは本製品とBluetooth機器の電源をオン、レコードを乗せる、トーンアームを移動……で再生できるので、手間に感じることはないでしょう。

レコードの盤面に触らないようにセットしたり、慎重に針先を下ろす……と、サブスクの音楽を再生するのに比べれば煩わしく感じるかもしれません。しかし、アルバムに収められた音楽に向き合うための儀式と考えれば……オツなモノでは?

 さて肝心の音質については、比較対象となるアナログレコードプレーヤーを所有していないので評価しづらいですが、かなり良いと感じました。音楽CDや、ハイレゾ音源と厳密に比べたわけではないですが、鑑賞に耐えられるどころか、音にしっかり浸れるだけの品質だと思います。リサイクルショップなどで想い出のレコードを見かけたら、積極的に買っていこうと決心したぐらいです。

超ひさしぶりにR.E.M.の「MAN ON THE MOON」を聴きました。手に入りにくい音源を聴けるのも、アナログレコードのメリットです

ちなみに、ドーナツ盤を再生する際には45RPMアダプターをレコードの下に置きます

いいところ、気になるところ、"レトロ度"は?

 本製品のよいところはなんといってもコンパクトさ。体積的には皆さんお持ちの「Steam Deck」の専用ケースより小さいので、携帯性も抜群。Bluetoothスピーカーとセットで屋外に持ち出して、青空の下でレコードの音楽を聴くのもよいかもしれません。

 気になるところは……特にないです。はい。無理くりひねり出すなら、オリジナルの再現にこだわらず、もっと薄型化したポータブルアナログレコードプレーヤーがあってもいいのかなーと思いました。はい。

 担当編集に無断で始めた指標の「エモ度」は100点満点中90点、「レトロ度」は100点満点中80点! いきなり高得点を付けて、ちょっと心配ですが、アナログレコードの音が不思議と豊かさを醸し出しており、たまに入る「チリッ」というノイズにエモさを覚えずにはいられません。無防備に回転するLPレコード、そしてシンプルなボディーのフォルムはレトロ感抜群。1982年に発売された製品をほぼ完全に再現しているのですから、高得点を付けざるを得ません。

 マイナス点はマニュアルが今風なこと。オリジナルのマニュアルを可能な範囲で踏襲してほしかったところです。

 通販サイトなどで販売されているレトロ風レコードプレーヤーは、回転数が微妙にずれていたり、すぐ壊れてしまったりする製品もありますが、本製品はちゃんとした音を聴けて、修理サポートも提供されています。手軽にアナログレコードを楽しみたいと考えている方に、もってこいの製品です。

正確かつ静かな頭出しができたときにゾクッとしました。音に直接触ったような不思議な感覚です

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この記事を書いた人──ジャイアン鈴木

 EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始した。

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