コロナによる約3年の制限期間を経て、久しぶりに飛行機を使った旅行を計画したいといった人も多いはず。とはいえ、立ちはだかるのが航空券の高さです。特に国際線は燃料費の高騰もあり、コロナ前と比べて2倍以上かかる、なんてことも。
そこで、注目となるのが格安航空会社(LCC)です。世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験がある筆者が、改めて脚光を浴びているLCCがどういったシステムなのか、利用する際のコツなどをお伝えします。
LCC(Low Cost carrier)は、従来よりも低価格な料金でチケットを提供している航空会社です。バーゲン時なら片道 数百円といった驚異的な価格で販売されることも。日本では10年ほど前から就航しはじめ、現在では国内線・国際線を問わず就航するLCCの航空会社も路線も多くなっています。
格安と言っても、どのくらい安いのか
LCCを利用する上でポイントとなるのが、従来の大手航空会社(FSC)が無料で提供している座席指定や受託手荷物、国際線なら機内食といったサービスが有料になること。毛布やマクラといったアイテムは、有料となるLCCが多く、「バーゲン価格で買ったのに、座席指定をして荷物を預けたら、最初に提示されていた金額の倍以上になった!」というケースも多々あります。それでも、最終的な価格は、FSCよりも割安なことがほとんどです。
例えば、8月25日(金)成田発・8月28日(月)バンコク発のチケットだと、LCCのエアアジアは最安値の運賃が往復で4万2680円。これに、受託手荷物20kgとスタンダードシートの座席指定、機内食が往復で各1食付く「バリューパック」を選択すると、5万1579円になります。
座席指定や荷物を預けるだけで1万円近くも高くなるのか! という感じはしますが、同じ日程で検索すると、FSCの最安値は、タイ航空の8万9000円あたり。受託手荷物をつけて座席指定をしてもFSCよりLCCのほうが安いし、不要なサービスをカットして最安を狙えば、FSCの半額程度となります。
というわけでLCCでは、ユーザー自身が必要に応じてサービスをチョイスするため、オトクに使いこなすにはちょっとしたコツが必要となります。例えば、受託手荷物は、料金を当日空港でチェックイン時に支払うよりも、航空会社の公式サイトから事前に支払った方が割安、といった具合です。機内食も、事前に申し込んでおいたほうが安いLCCが多くなります。
手荷物の重さ制限は7kg、これが結構苦労する
受託手荷物は有料なので、荷物は預けず、すべて機内へ持ち込みたいところですが、LCCは機内に持ち込む旅行カバンの荷物の大きさや重量もしっかりとチェックしています。一般的なLCCの手荷物の重量制限は7kgまでですが、規定された重さを超える場合は受託手荷物となり、思わぬ出費となるので注意が必要です。
ちなみに7kgと聞くと、十分な重さなのではという気もしますが、この7kgには旅行カバンそのものの重さも含まれるため、荷造りしてみると簡単にオーバーします。特に筆者の場合、仕事柄、パソコンやカメラ、スマートフォン(複数台)など、サイズの割に重いアイテムが多いため、この7kgの壁はかなり高いハードル。LCCを使うときには極力軽いカバンやリュックなどを使い、さらにポケットの多い服を着て、スマホやモバイルバッテリーはカバンに入れずに身につけてフライトに乗り込むといった工夫をしています。ケースをつけたスマホ3台とモバイルバッテリーで1kgは超えますから、それだけでも、かなりの減量になります。
航空機を運用するに際して一番重要な安全性関しては法的にも厳しい規定があり、それをクリアする整備や点検は行われているので、格安のLCCといえども一定の安全性は担保されています。
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