筆者が受講者164名にアンケート調査を実施した結果
ChatGPTが何なのか知らない大学生が4割以上。利用率は1割に留まる
大学生のChatGPT認知率は?
OpenAI社のAIチャットボット、ChatGPTが話題だ。ビジネスメールの代筆など業務効率化に使える一方、大学のレポート作成などもできるため、学習上で悪用されるリスクが学校現場で懸念されている。
学生たちはChatGPTについてどう感じているのだろうか。筆者が講師を務める大学の講義内でアンケートをとった。有効回答者数は164名、1年生が約半数を占め、1~4年生まで参加しており、男女比はほぼ半々だ。
おすすめの関連記事
ChatGPTのおかげでミスのない詐欺メールが実現!?
「ChatGPTについて知っていましたか?」という質問に対して、「知っていたし使っていた」は10.4%、「知っていたが使っていない」は45.1%と、認知率は半数強だった。
「名前は聞いたことがあるがよくわからない」は15.9%であり、28.7%と約3割は「知らなかった」と回答している。「この講義で初めて聞いた」という学生も複数名いた。
歓迎する学生も多いが、不安視する学生も
ChatGPTに対する学生の意見や感想を聞いてみた。
「便利だし、利用するのはまったく問題ない」「要約をしたり、調べ物をするのに便利そう」「適切な使い方で効率性や生産性を上げることには賛成」「賢く使えば社会の発展に使えるのでは」などのポジティブな意見は多かった。
一方、ネガティブな意見も多かった。「まだ間違いが多いので信用できないし、使いたくない」「いくつかの職業がなくなってしまうのでは」「考える力や文章を組み立てる力などが低下するため、なくしたほうがいいのでは」「犯罪に利用されてしまう危険性もありそう」などの意見が見られた。
「エントリーシートにぜひ活用してみたい」「エントリーシートに使えるようなので、ますます審査が厳しくなるのが心配」など、学生らしくエントリーシートにまつわる賛否両方の意見もあった。
現状では、興味関心を持って積極的に使いたいとする学生も多い一方、サービスを不安視し、使いたくないなどサービスを拒絶する学生も少なくなかった。しかし、性能も改善されつつある。今や拒絶するのではなく、使いこなす力を求められる時代がきていることは間違いない。
これ以外にもさまざまなAI生成サービスが誕生している。時代に取り残されないよう、あれこれ試して自分なりの使い方を模索してみてはいかがだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
週刊アスキーの最新情報を購読しよう