「ディープフェイク画像や動画を作成したことがある」学生も
大学生の半数が生成AI利用経験あり、人気はChatGPT
2025年05月20日 09時30分更新
半数は生成AI利用経験あり
今年も大学で受け持っている講義の受講生にアンケートを実施した。その結果について何回かに分けてお伝えしていきたい。
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まず、生成AIの利用について聞いてみた。すると、「知っていたしプライベートで使っている」(48.3%)が最多という結果に。「使っており、有料プランに入るなど課金もしている」も3.4%いた。半数は利用経験があるというわけだ。
残りは、「知っていたが使っていない」(32.9%)、「名前は聞いたことがあるがよくわからない」(12.1%)などであり、「知らなかった」は5.4%に留まった。
人気はChatGPTが独占
利用する生成AIの種類についてすべて挙げてもらったところ、ChatGPTが5割以上という結果に。「使っていない」やサービス名を回答しなかった分を除くと、圧倒的多数となった。
そのほかは、「Gemini」「DeepL翻訳」「Grok」「AIチャットくん」など。AIチャットくんはLINEで手軽に使えるChatGPTであり、こちらもChatGPTと考えていいだろう。
かなり生成AIを使いこなしている印象の学生たちだが、利用しているのはほぼChatGPTのみという結果となった。ChatGPTで生成AIを知り、使い始め、そのまま使い続けているようだ。
レポートや課題の作成利用は2割
生成AIに関しては、どのような使い方をしているかについても聞いている。
「英訳、翻訳などをしたことがある」(40.3%)、「アイデア出しに使ったことがある」(36.9%)、「文章の添削をしてもらったことがある」(33.6%)、「文章の要約をしてもらったことがある」(29.5%)、「情報収集に使ったことがある」(22.8%)など、学生らしい使い方が多かった。
なお、講義には1年生が多いため、「エントリーシートを作成等、就活に使ったことがある」は6.0%に留まった。
「レポートや課題の下書きをさせ、少し手直しして出したことがある」など、課題に活用できている学生も19.5%と約2割いた。「レポートや課題を作成、コピペして提出したことがある」(6.0%)、「ディープフェイク画像や動画を作成したことがある」(0.7%)などの学生もおり、気になるところだ。
生成AIの利用についてはここ数年、毎年受講生を対象にアンケートをとっているが、年々利用率が高くなっている。使いこなしている学生もいる一方で、未だに触れていない学生もいる。間違いも多いなどの生成AIの特性を知り、うまく活用できるようになってほしいと思う。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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