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AMD Ryzen 9 7900&AMD B650採用マザーを含むASUS製で統一したクリエイター向けPCのビルドを紹介

2023年05月22日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ/ASCII
提供: ASUS JAPAN

TUFで揃えたかったから……

 今回の構成を組み上げる上で注意しなければならないことがひとつある。それはPCケースにビデオカードを組み込むタイミングだ。GT502には大型ビデオカードを収容する十分なスペースがあるのだが、そこに今回選択したRX 7900 XTカード(TUF Gaming Radeon RX 7900 XT OC Edition 20GB GDDR6)を組み込もうとすると、ケースのシャーシに阻まれてマザーボードにリーチすることができない。

 あと数㎜シャーシの縁が短かったら、あと数㎜ビデオカードの角が落ちていれば入ったのだが、残念ながらメーカー側の摺り合わせが不足していたようだ。

組み込んだ状態のアップ。PCケースの縁部分の折り返しがカード上端と干渉してしまう。これを解決するにはいくつかの方法があるが、今回はケースもビデオカードもTUFで染めることを優先させた

 しかし、この状態ではいそうですかと引き下がる訳にはいかない。この状況を解決するアプローチを考えてみた。順を追って解説しよう。

① PCケースを別のものに交換する

 パーツが入らないのなら、入れられるPCケースを選べば良い、というシンプルなアプローチだ。TUF GAMING GT502が大型ビデオカードと干渉してしまう理由のひとつは、拡張スロット部分が背面と“ツライチ”になっているためであるが、PCケースを選び直すなら拡張スロット部分が背面から“少し引っ込んでいる”タイプを選ぶと、今回のようなトラブルは回避しやすい。

 最もスマートな回避手段だが、今回はGT502以外眼中になかったのでこの案は却下された。

② ビデオカードを別のものにする

 今回チョイスしたRX 7900 XTカードのGPUクーラーが大きいためPCケースに干渉するというのなら、もう少し小さいカードにする、という手もある。GT502は長さ方向の余裕は十分にあるため、カードの高さがもう数㎜低いものを選ぶことで、GT502を活かしつつスマートに組み込むことができる。

 これもPCケース交換と同等のスマートな解決策だが、今回はASUSかつTUFのRX 7900 XTカードが使いたかったので却下された。

③ ライザーカードを使う

 今回の組み合わせでは、GT502に装着したマザーボードにビデオカードを装着する際に干渉するが、ビデオカードを縦配置にすることで解決できる。GT502にはビデオカードの縦配置を可能にする金具“Vertical Graphics Card Mount”が同梱されているので、これを利用するとよい。

 しかし、縦配置したビデオカードとマザーボードを連結するライザーケーブルは別売なうえ、縦配置してしまうと拡張スロット(PCI Express Gen 4 x4およびx1)が実質使えなくなる。

 ライザーケーブルはグラフィック性能にほとんど影響することはないが、クリエイター向けPCに“雑音的要素”を持ち込むのはよろしくない、という理由から却下された。ただ全パーツを活かしつつ、ビデオカードも魅せられるという意味では良い案といえる。

④ ケースを加工する

 GT502のシャーシとビデオカードが干渉するエリアはそれほど大きくないので、思い切ってGT502のシャーシの一部をハンドニブラー等で切ってしまうという選択もある。ただ切った後の端面の処理をしっかりしないと見映え的によろしくない、という理由で却下された。

⑤ 強引に組み込む

 マザーボードをPCケースに組み込んでからビデオカードを装着するとPCケースに干渉してしまうが、ビデオカードをマザーボードに装着した状態でPCケースに組み込めば問題なく装着できるのだ。幸いProArtB650-CREATORはバックプレートが一体型なので正しい位置に滑り込ませれば位置合わせも一発で済む。

 電源ユニットかとCPUの補助電源コネクター(8ピン+4ピン)を結ぶケーブルを最初にマザーボード側に装着した状態でGT502に入れ、ケーブルホールから裏側に差し込み、その後マザーボードを固定。最後に補助電源ケーブルを電源ユニット側に接続する、という手順を踏むのが最もスマートだ。

 この方法の欠点はビデオカードの交換をする場合、マザーボードごとGT502から分離する必要があるという点。だがRX 7900 XTは現行RDNA 3世代では上から2番目の強さを誇るGPUであるため暫く交換する必要はない。よってこの案を採用して組み込むこととなった。

ビデオカードをマザーボードと一緒に組み込むという手順が導きだせれば、このビルドはそれほど難しくない。GT502の内部は十分な空間があり、裏配線も簡単だからだ。ビデオカードの重量を支えるために、GT502に同梱されているビデオカードステーも組み込んである。

ラジエーターは天井配置とし、水冷のホースはあえて背面側から回した。こうすることでフロント側から見た時の見た目をスッキリとできる。ホースのテンションの関係から水冷ヘッドの向きが限定されてしまい、ヘッド上部に投影されるロゴが90度左向きになってしまう点だが、クリエイター向けPCにそのようなものは不要だ! LEDは消してしまえ!

裏配線はこんな感じに。GT502の裏配線スペースは十分な余裕があるため、ここまでまとめなくても良いだろう。ただソケット裏の空間はケーブルでなるべく覆わない方が良い(後から裏面ファン追加がしやすい)ので、ソケット付近の開口部は極力避けて配線している

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