週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

Ascendant StudiosとEA Originalによる新作ファーストパソンシューティング

EAがおくる新作魔法FPS『アヴェウムの騎士団』の魅力とは?

2023年04月14日 01時10分更新

Q&A

 最後に開発陣へのQ&Aも行なわれた。以下では、その内容をお届けしよう。

【参加メンバー】

Bret Robbins(ブレット・ロビンス)氏
CEO/Game Director

過去に携わったタイトル
『Call of Duty: World War II』
『Call of Duty: Advanced Warfare』
『Call of Duty: Modern Warfare 3』
『Dead Space』
『The Lord of the Rings: The Return of the King』
『007 From Russia With Love』
『Blood Omen: Legacy of Kain』
『Gex』

Kevin Boyle(ケヴィン・ボイル)氏
Executive Producer

過去に携わったタイトル
『Minecraft: Story Mode - Season Two』
『The Walking Dead: A New Frontier』
『Tales from the Borderlands』
『The Walking Dead: Season Two』

Dave Bogan(デイブ・ボーガン)氏
Senior Art Director

過去に携わったタイトル
『The Walking Dead: The Final Season』
『Batman: The Telltale Series』
『Tales from the Borderlands』
『The Wolf Among Us』
『Star Wars: Republic Commando』
『Tales from Monkey Island』

Julia Lichtblau
Associate Art Director

過去に携わったタイトル
『Minecraft: Story Mode - Season Two』
『Tales from the Borderlands』
『The Walking Dead: Season Two』
『Game of Thrones: A Telltale Games Series』

――本作のバトルシステムで、過去に制作したタイトルから踏襲した部分はありますか?

Brat氏:「CoD」の中での経験は、この作品、そして戦闘の感触を作り出すのには必須だったと思います。スムーズでクイックで、そしてフレームレートも高く継続すること、ここはやはり体験の情勢には必須でしたね。

 こういったところの多くを本作に持ち越すことは大切でしたが、それをしつつも伝統的な銃の撃ちあいではなく、魔法やスキルを使った戦闘スタイルを創出していくこと。そしてそれをやりつつ、インパクトや感触を重視して、撃つ感触がなかったり、シューターのファンの方々が違和感を覚えたりするようなものにならないように注意しました。

 私たちの武器としては、このゲームは魔法のゲームであるので、魔法やスキル、そういったものの創造する余地がかなりあったということです。私たちが用意したキャンバスは真っ白で、魔法や私たちがやれることのルール作り、すべてを初めから作り上げていきました。

 制作の初期段階からそもそも魔法の原理とは? というところから問いかけをし、バトルメイジとはどういったものか自問自答をし続け、戦闘、そしてプレイヤーが爽快感を得られるようなシステム作りを意識して制作しました。

――今後の計画として、マルチプレイや協力プレイなどの実装は予定されていますか?

Brat氏:私たちも考えていました。そちらに時間を割いてもいましたが、今のところ言及できることはありません。まずはストーリーやシングルプレイ部分の体験を充実させるように制作していいます。

――魔法を使うという従来のFPSとはひと味違うゲームになっていますが、制作していて楽しかったことは?

Bret氏:魔法使い、また魔法を使うにあたって、伝統的なシューターでの銃のやりあいから変わっているところはありましたね。今までのような壁の後ろに隠れる、いわゆるカバーシューターと呼ばれるものと差別化するために、ファンタジーの中でプレイヤーがガンスリンガーのように戦場に降り立ち、カッコいいキャラクターとして戦闘が楽しめるようにしました。

 加えて「シールド」のシステムによって、自分の身を敵から守る壁を持ち歩くことができるんです。シールドを構えるとジャックのスピードは若干落ちてしまいますが、よくあるファーストパーソンシューターやガンゲームとは違ったバトルスタイルを組み込めたのが何よりでしたね。

 魔法を扱ったことで、ユニークで今までになかった要素を入れ込むことができたのが面白かったです。

――キャラクターのタトゥーはストーリーやキャラクターの能力に影響するのでしょうか?それともコズメティクスなどのプレイヤーの姿を変えるためのもの?

DAVE氏:タトゥーは、ゲームプレイに関係するものではありません。ただ、私たちのアートスタイルはすべて意味や意図があります。タトゥーによって、私たちのストーリーやキャラクター作りにより深い造形を与えられたと思います。

 ネタバレは避けて話しますが、直接ストーリーに関係があるキャラクターのストーリーの中での役割や世界の中での立ち位置に関係してきます。重要な設定ではありますが、ゲームプレイには関係ないといったところですね。

――ゲームのコンポーサーはどなたでしょうか?

Bret氏:複数名携わっていますが、トム・ホークさん、ジミー・キャリスさんが主な作曲家陣ですね。それにオーディオディレクターとしては、アンドレアさんです。

――世界の建築や魔法のビジュアル、プレイヤーがこの世界に入った時にどういった印象を持たれたら嬉しいでしょうか?

Julia氏:チームとしては新しい土地感から伝えたいというのがありますね。プレイヤーがゲームに入ったときに、その土地や場所を感じていただきたい。もちろん、植物、地球のような要素を維持しつつ、その中でも独特な建物を建てることができました。

 例えば軍事用の防壁、それに加えて古い文明からの遺物。この世界は何度も崩壊、「エヴァーウォー」を超えてきた場所ですから、そういった造形やビジュアルからの文明やストーリーの謎を解き明かすというのも、ゲームをプレイしていてプレイヤーのみなさんが感じられることだと思います。

DAVE氏:私からも少しよろしいでしょうか。Bretさんが物語を作り始める前から、彼の中にはどういったものを描きたいのか明確なビジョンがありました。私の方でも今までの典型的なファンタジーの世界から逸脱し、新鮮なキャンバスの中でユーザーの期待をいい意味で裏切るような状況を描こうとしていましたね。

 そういった方向性から、非常にユニークで、地球ではない世界「アヴェウム」という世界を創造することに成功したと思っています。いわゆる、古き良きファンタジーに掛けあわせる形で、Sci-Fiの要素やそこからインスピレーションを得た要素を建築物だけでなく、例えば乗り物であったり、武器にも落とし込んでいます。

――赤・青・緑の魔法以外に、相手を呪うものや光、闇、時間、空間などを操作する魔法はあるのでしょうか?

Bret氏:ユーザーのみなさんに楽しんでいただける魔法はたくさん用意しています。もちろん、その中には時間を操作する魔法もありますね。魔法やバトルのシステムについて言えることがあるとすれば、全体を通して、異なる能力ごとにシナジーを作っていこうと制作してきました。

 ゲームではコンボシステムと広く定義をしていますが、適切な魔法を適切なタイミングで使うことでほかの魔法と組み合わせられるようにしています。これは魔法を混合させて使うわけではなく、例えば遠方に敵がいる場合は、ラッシュの魔法を使って距離を狭めることで近距離の魔法で攻撃をできるといったように、組みあわせでコンボになるようにしています。

 魔法は1つ1つ個性がありますし、特定の敵に対して効果を発揮するようなものもあります。まずは相性を知ることが大事ですね。

 ゲームの初めの方で使える魔法やスキルは、わかりやすいものになっています。さらにゲームを進めていくと使い方に学びが必要なものも出てきますので、これがゲームに深みを与えると思います。

――本作のコンセプトは「CoD」+マジックだと聞いたのですが、大分印象が変わったようですか?

Bret氏:最初に本作のアイデアを考えたときは、ただマジックファーストパーソンシューターとすごくシンプルだったんです。もちろん私は過去に「CoD」の制作に携わっていたので、ある程度は頭にありましたが。

 ただ、実際に作業を始めると、まったく違うものになりましたね。ファンタジー系「CoD」ではなく、まったく新しいものになりました。世界の冒険もあり、パズル要素もあり、それに加えて追加コンテンツもある。本当に大きなゲームになっています。

 ゲームをストレートにプレイしたとしてもメインストリーだけで25~30時間ぐらいはあると思います。それからもっと細かいところを探索すると、もっともっと時間がかかると思います。マジックシューターを開発するにあたって持っていたビジョンは、まさにこういうところだったんですね。

 たくさんの人をチームに加えてビジョンを広げていく中で、初期からいろいろ変わっていきました。ただ変わったと言っても、常に改善、向上といった方向の変化をしていきましたね。最終的には非常にユニークなものを作り上げたと感じています。

KEVIN氏:ファンタジー世界なので、ゲームのメカニクスもですが物語的な部分でも現代を舞台にしたものとは別のものになりました。アヴェウムの世界にある建物、構造物、遺物、キャラクターは本当にユニークなものであふれています。

――フォトモードは組み込まれていますか?

Bret氏:全フィーチャーモードを公開してはいませんが、とてもクールなフィーチャー機能が付いていまるのでご期待ください。

――本作はシングルプレイのゲームだと理解はしていますが、常にオンラインに接続しておく必要はあるのでしょうか?また、課金(マネタイズ)な要素はあるのでしょうか?

Bret氏:どちらもNoです。本作はシングルプレイのゲームですから。そしてゲーム内の課金はありません。
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう