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ナンバーポータビリティのワンストップ化 大混乱が心配だ

2023年04月10日 09時00分更新

ワンストップ化の効果は検証の必要あり

 これまでも、総務省が作ったルールの抜け穴を上手いこと見つけ出し、各キャリアは過剰な顧客獲得合戦を繰り広げてきた。ワンストップ化に踏み切ることで、これまで想定しなかった競争領域に突入する可能性があるだろう。

 その際、すべてのユーザーの利益につながればいいが、一部の人だけが得をするようなガイドラインになってはいけない。

 数年後、ワンストップ化を導入したことで、市場にどんな変化が生まれたのか。問題は起きていないのかをきっちりと検証する場を設ける必要があるだろう。もちろん、問題が起きるようであれば、早期に対策が必要だ。

 総務省の通信のおける競争政策の場合、ルールを導入検討した人たちが、数年後、同じメンバーで再検証するということが多い。これではどんなに間違ったルールでも、自分たちの過去の考えを否定したくないものだから、「問題ナシ」とか、別の問題点にすり替える議論に陥りがちだ。

 ワンストップや完全分離、端末割引価格の設定など、ルールの導入検討した人ではなく、全く別の人たちで、「そもそも、ルール作りが合っていたのか」という根本的なところから、再検証する体制が必要だろう。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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