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現役エンジニアの英語上達をプロがサポート

プロのトレーナーがマンツーマンで「英語が苦手」の理由を分析。自身では気付けない弱点と効率的な上達方法がわかるコンサルティングをITエンジニアが体験

2023年04月03日 11時00分更新

文● 藤原達矢(アバンギャルド) 編集● ASCII
提供: 株式会社スタディーハッカー

 英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」や、効率的な学習方法をコンサルティングしてくれる英語コーチングサービス「STRAIL」などを運営する株式会社スタディーハッカーは、時間がないビジネスパーソンでも短期間で無理なく英語力をアップできる様々なサービスを提供している。

 今回は、前編と後編の2回に分けて、日々の業務で英語を活用しているITエンジニアの2名を取材。同社取締役の田畑 翔子氏や、ENGLISH COMPANYで多くのビジネスパーソンの英語力を引き上げてきたトレーナーの幸 昂作氏も同席し、ITエンジニアが英語を学ぶメリットや学習方法などを深掘りしていく。

 その後編にあたる本記事では、ENGLISH COMPANYが受講者向けに提供している英語力チェックのトレーニングをオンラインで実際に体験した。

 トレーニングを受けるのは、前回の記事でも登場した、教育関連のサービスでグローバル展開を目指す企業のプロジェクトに参画しているフリーランスエンジニアの増田 貴志氏と、製薬会社向けのデータ解析やシステム開発を行っている株式会社pipon 代表取締役の北爪 聖也氏の2名。現状の英語力や課題発見、さらにレベルアップするための学習方法などを、ENGLISH COMPANYで多くのビジネスパーソンの英語力を引き上げてきたトレーナーの幸 昂作氏がチェック。実際にトレーニングで使われている、リスニングやスピーキングなどの教材を用いて確認した。

 なお、前編では増田氏と北爪氏に、英語を学んだきっかけや、エンジニアが英語を身につけるメリットなどを取材している。英語を身につけたおかげで、最新の技術動向をチェックできたり、海外案件を新しく獲得できたりするなどの実体験も交えながら紹介してくれたので、ぜひ合わせてご覧いただきたい。

株式会社スタディーハッカー トレーナー 幸 昂作氏

フリーランスエンジニア 増田 貴志氏

株式会社pipon 代表取締役 北爪 聖也氏

マンツーマンでリスニングやスピーキングのトレーニングを行い、英語力をチェック

 今回の取材は、マンツーマンでそれぞれ順番に行っている。リスニングやスピーキングの教材は増田氏と北爪氏のレベルに応じて幸氏が事前に選択しているが、基本的な流れは変わらないため、本記事では両者の内容を並べて、どのようなトレーニングやアドバイスが行われたかを紹介していく。

 最初のトレーニングは、課題発見のための「速読 Reading」。30秒程度の英語音声を流してリスニング力をチェックする。流れた英語を聞いて、どのような内容が話されていたかを増田氏が回答した。続けて、音声のなかで使用された単語もチェックし、知らない単語がないかを確認していく。発音と意味を同時に定着させるために、英単語を発音しながら意味を覚えていく。このとき、単語リストを何周か繰り返すが、ただ英単語と意味を眺めるのではなく、英単語を見ただけで意味が思い浮かぶか、テストするつもりで確認するのがポイントだ。これは「テスト効果」といって、テストを行うことにより記憶の長期定着が促進されるという研究結果に基づいている。

 幸氏によると、人がリスニングをするときには音声の情報が耳から音声入力として入ってきたのち、大きく分けて「音声入力→音声知覚→音韻ループ→理解」という処理を経て、全体の内容が理解されるという。また、各処理も細分化すると、複数の要素に分解できる。つまり、一言で「リスニングが苦手」と言っても、これらの処理の段階のどこに問題が生じているのかは個別に異なるということである。そのため、英語力の詳細なアセスメントを適切に行って、どこに課題があるかを発見することが、学習の効率化につながる。もちろん自分自身でどのステップに課題があるかを発見するのは難しいが、幸氏のようなプロのトレーナーがついてくれれば、精度の高い分析をしてもらえる。

幸氏の発音に合わせて増田氏や北爪氏が単語をリピートし、意味をチェックする

リスニングで流れた英文をスクリプトで確認し、意味をトレーナーの幸氏と確認

 また、英文を英語のままの語順ですばやく理解できるようになるための「Sight Translation」のトレーニングも実施。もともとは同時通訳の仕事をする人が行うトレーニングで、スラッシュで意味の切れ目ごとに区切られた英文を見て、その意味のかたまり(チャンク)ごとに、日本語訳をすばやく言っていくというもの。「Sight Translation」ですばやく内容を日本語に置き換えられない部分については、単語の意味を知らなかったり、文法知識が不十分だったりするので、そういった知識の抜けを発見するのにも役立つ。

リスニングと同じ文章で、Sight Translationのトレーニングも行った

 さらに「Chunk Reading」というトレーニングでは、「Sight Translation」でも用いた「Chunk(チャンク)」という意味の区切りごとに分解した英文を幸氏が読み上げ、それに合わせて増田氏がリピート。「Chunk Reading」では、英文を日本語訳しようとするのではなく、可能な限り英語のままで理解しようとするのが、上達のコツだと幸氏はアドバイスした。頭の中で英文の情景描写を思い浮かべたり、英文の登場人物と同じ気持ちで想像力を働かせたりして話すことがポイントだという。このような意識で音読を繰り返すことで、リーディングスピードの向上が期待できる。またここで幸氏は、トレーニングを実施しつつ増田氏の発音についても同時にチェックして、優先的に改善すべき部分を見極めていた。

 最後に、幸氏がさきほどの英文の内容について英語で質問し、増田氏や北爪氏も英語で回答するスピーキングのトレーニングを実施して、現状のアウトプットスキルもアセスメントしたところで今回のトレーニングは終了した。

音読しながら意味を理解するChunk Readingのトレーニング

一段レベルを上げて、幸氏が英文を発音後に英文の表示を消したり、空欄を設けた英文で暗唱を行うなどしながらChunk Readingを行った

英文の内容についての質問に、英語で回答するスピーキングのトレーニングも実施

トレーニングの結果を元に課題や今後の効率的な学習をアドバイス

 その後は、トレーニングの内容や結果を元に、幸氏が分析した課題と今後どのような学習を行えば伸びるのかのアドバイスが行われた。学習内容は千差万別だが、課題に合わせてどのような方法を選択するかが、効率良く英語力を伸ばすための近道になる。

英語の学習方法は千差万別だが、課題を分析することにより、適切な方法を選択することができる

 トレーニングの結果、リスニングに関して増田氏には、先ほど紹介した「音声入力→音声知覚→音韻ループ→理解」のうち、特に「理解」するステップに課題があることがわかった。つまり、話される英語の音声を聞き取るところまではある程度できているが、単語や文法の知識などを運用してすばやく内容を理解していく部分がうまくできていないということだ。一方で音声知覚に課題を抱える人の場合は、単語の発音が正しくインプットされていないことや、自然なスピードの英語で起こる発音の変化などに慣れていないことによって、単語の認識に苦労することがある。「at extension」というフレーズは実際に会話の中で使われると「アレクステンション」のようにつなげて発音されるため、人によっては「at」や「extension」いった単語を個別に認識することが難しい。

幸氏は、増田氏や北爪氏がどのステップに課題があるかをチェックしながら、リスニングやスピーキングのトレーニングを行っている

 しかし、増田氏に関しては音声知覚よりも、話された英文を「理解」するステップに課題があることがわかったため、必要な単語や文法の知識を補ったり、英文を頭から素早く理解するためのトレーニングを重点的に行ったりするほうが、より上達しやすいという。

「話されている単語の意味を確実に理解するために語彙を拡充して正確性をアップさせ、同時に『Sight Translation』や音読のトレーニングを行うことで、スピードもアップできる」と幸氏は増田氏にアドバイスした。今回は英語力を測るチェックが目的だが、今後ENGLISH COMPANYを受講する場合には、面倒な単語や英文法の学習も効率的に行うためのトレーニングが用意されているという。

 フリーランスエンジニアの増田氏が参画している教育関連サービスのプロジェクトでは、英語圏のメンバーと話したり、英文のドキュメントを読む機会もあるという。英語は、一時期大手英会話スクールなどに通って身につけたそうだが、最近は忙しくて英語力が落ちていることを実感する中で、勉強を再開するための指針になったようだ。

 増田氏は、「マンツーマンで英語力を見てもらったことで、弱点を徹底して分析してもらうことができた。今後英語を勉強していくのであれば、専門用語を含めて単語力の基礎を押さえつつ、普段から英語を聴く習慣をつけて、英語に慣れていくようにしたい」と話した。

 北爪氏に関しては、「理解」はほぼ課題はなく、気になる単語を補完していく程度で良いが、「音声知覚」には課題が残っていることが、トレーニングの結果からわかったと幸氏は話す。「北爪さんは、英文を目で追いながら読めば、意味をスムーズに理解できているが、視覚の補助がないリスニングだと、単語を拾えていないケースがあった。音声知覚の処理に、特に負荷がかかっている」と分析。

 その結果を踏まえて、まずは聞いた英文を書き出していく「ディクテーション」を行い、自分が聞き取れない箇所をあぶりだすことが有効だと幸氏はアドバイスした。そこで見えてくる、弱点の傾向をふまえて集中的に発音の練習を行うことで、リスニング力を効率よくアップさせることができるという。特に、ネイティブが自然なスピードで話す際に起こる発音の変化(音声変化)について、一定の規則性を覚えてしまえば、「at extension」が「アレクステンション」のように変化するようなパターンでも、瞬時に単語を拾いやすくなる。

 外資系クライアントの米国エンジニアとやり取りする際に英語を使用する北爪氏。過去には9ヶ月の海外留学経験もあるそうで、英語への苦手意識は少なそうだが、リスニング力を細かくチェックすると、上達できるポイントが見つかった。

「マンツーマンで英語力をチェックしてくれてピンポイントで課題を見つけてくれるのはありがたい。トレーニング結果を受けて課題を教えてもらったが、それに関しても納得感があった。トレーニングを受ける前は幅広く勉強をやり直す必要があるかと思っていたが、今回の話を聞いて、重点的に勉強をした方が良いポイントを理解することができた」と話した。

 2人のトレーニングを見ていると、例えば「リスニングが苦手」にもさまざまなパターンがあり、プロのトレーナーに英語力をチェックしてもらうことで、自身でも気付かなかった得意分野や課題が見えてくることがわかった。また、その結果導き出された今後の学習方法についても具体的で、側から見ていた筆者にとっても説得力があるものだった。もちろん、効果が見込めそうなさまざまな学習法を並行で行っても良いが、日々の業務が忙しくて時間がないビジネスパーソンにとって「優先的に取り組むべきこと」「時間対効果が高いもの」に学習範囲を絞れることは、短期間で上達する上でも重要なポイントだ。

 幸氏も、「増田さんや北爪さんとは、初めてマンツーマンでトレーニングをしたので、まだまだ分析しきれていないことも多い。今回の体験を経て、もしENGLISH COMPANYを継続して受講していただけるのであれば、教材のレベルや内容をさらに個別にパーソナライズして、より精度の高い課題の分析やアドバイスもできるようになる」と話す通り、自分の弱点を見極めて短期間で効率的に英語力を伸ばしたい人にとっては、トレーナーとの英語力チェックが強い味方になりそうだ。ちなみに、ENGLISH COMPANYではIT業界に特化したマンツーマンのコースも2月から開講しているという。ITエンジニアの強い味方になりそうだ。

 

(提供:株式会社スタディーハッカー)

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株式会社スタディーハッカー
パーソナルトレーニング IT英語コース

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