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K付きモデルとどこが違う?気になる消費電力は?

第13世代Core“K無し”速報レビュー!Core i9-13900/Core i7-13700編

2023年01月03日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

ゲームでのパフォーマンスは?

 次は実ゲームを利用して検証しよう。ここでの検証はすべて解像度フルHD(1920×1080ドット)、画質設定はプリセットの一番下の設定とし、CPUパワーの差が出やすいようにした。ゲーム内ベンチマーク機能の有無に関係なく、フレームレート計測は「FrameView」を使用している。

 まずは「Overwatch 2」から始めよう。画質“低”、FSR 1はオフとした。マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを計測した。

Overwatch 2:1920x1080ドット時のフレームレート

  毎回完全に同じ試合展開にはならないため、ブレの要素を排除しきれないベンチマークだが、それでも上位CPUほどフレームレートも伸びるという順当な結果に近いものが得られた。MTP 213W運用にすると1ランク下のCPUに負けるという傾向がCore i7-13700とCore i5-13600Kの間で観測されたが、Core i9-13900 (MTP 219W)はギリギリCore i7-13700Kの上にとどまっている。

 続いてはCPUやメモリー周りの条件に割と影響されやすい「F1 22」での検証だ。画質“超低”、異方性フィルタリングは16x、アンチエイリアスは“TAA+FidelityFX”に設定。ゲーム内ベンチマーク(条件は“モナコ”+“ウエット”)再生中のフレームレートを計測した。

F1 22:1920x1080ドット時のフレームレート

 Overwatch 2のフレームレート傾向との共通性が各所に認められる。上位CPUほどフレームレートが高いことに加え、MTP 219Wに絞った時のフレームレートは、Core i9-13900 (MTP 219W)ではCore i7-13700Kとほぼ同等だが、Core i7-13700 (MTP 219W)はCore i5-13600Kより下回る。

 この差がEコアの数にあるのか、Core i9にのみ搭載されるTVB(Thermal Velocity Boost)によるものかまでは断言できないが、Core i9-13900はMTPを絞って運用しても良好なゲームパフォーマンスを出せると考えてよいだろう。

 続く「Cyberpunk 2077」では画質“低”、DLSS SRやFSR 1は明示的に無効化。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Cyberpunk 2077:1920x1080ドット時のフレームレート

 Cyberpunk 2077のフレームレートの傾向はこれまでのゲーム検証とは大きく異なる。まずK付きとK無しモデルの差が非常に小さい。そして、MTP 219W設定にすると1ランク下のCPUにフレームレートで負けている。このゲームはレイトレーシング系の処理を一切排除してもCPU負荷が高く、それがMTP 219W設定時のフレームレート低下に繋がったと考えられる。

 最後に試す「Forza Horizon 5」では画質“最低”、MSAAはx2に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Forza Horizon 5:1920x1080ドット時のフレームレート

 どのCPUでも全体的に高フレームレートが出ているが、MTP 219W設定時のフレームレートは微妙に下がっており、さらに1ランク下のCPUよりも下回る結果となった。なるべくパフォーマンスを稼ぎたいなら、強力なCPUクーラーを用意した上で、可能な限り高いMTP設定にすることが理想的だ。

 では、ここで試した4本のゲームベンチ中に、どの程度CPUが電力を使ったかをCPU Package Powerの平均値を使って比較してみよう。

Overwatch 2:ベンチマーク中のCPU Package Powerの平均値

F1 22:ベンチマーク中のCPU Package Powerの平均値

Cyberpunk 2022:ベンチマーク中のCPU Package Powerの平均値

Forza Horizon 5:ベンチマーク中のCPU Package Powerの平均値

 どのゲームベンチにおいても、MTP 219W設定時のCore i9-13900およびCore i7-13700のCPU Package Powerは64〜70Wにとどまり、その少し上にCore i5-13600Kがいる。一方MTPを無制限にしたCore i9-13900およびCore i7-13700は、K付きよりも消費電力が大きい場合もあり、小さい場合もある。

 特にCore i7-13700の消費電力がCore i7-13700Kよりだいぶ大きい点はにわかには信じがたいが、後述するエンコード時の消費電力でも同じような傾向になったのでテスト個体の特性か、そういう傾向になるBIOS(BIOSの熟成度の可能性も含む)であるから、と考えることができる。

 次の4つのグラフは、各ゲームの平均フレームレートをベンチマーク中のCPU Package Powerで割り10倍したもの、即ちCPU Package Power 10Wあたりのフレームレートを出したものだ。

Overwatch 2:CPU Package Power 10Wあたりのフレームレート

F1 22:CPU Package Power 10Wあたりのフレームレート

Cyberpunk 2022:CPU Package Power 10Wあたりのフレームレート

Forza Horizon 5:CPU Package Power 10Wあたりのフレームレート

 CPUパワーがあればそのぶんフレームレートも伸びるが、ワット数当たりの仕事ということを考えると、MTPを絞った方が効率は高くなる。特に、Core i9-13900のワットパフォーマンスは今回試したどのゲームにおいても突出して高い。

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