マイノリティ・リポートの世界へ
── X PLACE(クロスプレイス)という社名の由来は?
小島 最終的にやりたいことを実現しようとしたとき、MYCITYとパナソニックの2社だけでは100%ではないなと思っていて。パナソニックではない機器を使っている会社ももちろんあるわけで、そういうところに顧客視点の立場であらゆるサービスと連携していきたい。何者とでもクロス(×)していく会社ということで、X PLACEという名前にしています。
── 某空調メーカーの設備が入っていても大丈夫と。
小島 大丈夫です。X PLACEは良い意味ですべての空調などの機器メーカーにとって都合のいい会社でありたいんですよね。あくまでも利用者に求められるところで連携していきたいと思っています。たとえばオフィスの位置情報を把握することでHRテックに求められる領域などもあるかもしれません。
── HRテックというと人事関連ですか?
小島 これは想像の域ですが、たとえばぼくと盛田さんが会話していることがデータとして残るわけですよね。盛田さんがぼくの上司だとしたとき、この距離での会話を1週間で何回しているかということがわかる。上司と部下、それぞれどちらかが不満を持っていた場合、1ヵ月以上直接の会話をしていないとなれば「それは上司側のコミュニケーション設計に課題がある」ということを言えますよね。
── 親密さというか、距離の近さがデータでわかるわけですね。
小島 評価面談はみんな悩んでると思うんですよ。半ば感覚で「君はこうだ」と言っても現場の子たちの納得感が低いと、組織としていい状態にならない。転職が当たり前の時代なので、納得感のある評価をするためにデータを使う。そんな風に、実は違う領域にもデータの価値があるんじゃないかと。汎用的な解決策として個別のコミュニケーションを活性化したいということになれば、個別のミーティングルームを増やし、その稼働率を分析していくという話にもなりますし。
── システムをプラットフォー厶として周辺領域にも連携を広げていけるのではないかと。事業目標があれば教えてください。
小島 2026年度までに導入実績2000件を目標としています。しっかりシェアを獲得して、継続いただけるという状況を目標にしています。
── フェーズ1を提案した顧客に対して、フェーズ2、フェーズ3を続けて提案していく形ですか。
小島 そうです。最初にコンサルをいただいたクライアントさんと、省エネまでずっとお付き合いさせていただくのが理想ですね。
── フェーズ3が完了した2026年以降はどんなことを考えていますか?
小島 勝手に思ってるところはありますが……。
佐藤 私も勝手に思っているところはありますよ。
北村 せーので言ってみます?
── 仲良しですか。では小島さんからお願いします。
小島 私としてはグローバルに広げていきたいと思っています。日本は家電先進国なのでエネルギーマネジメントの効果を出すときに、パナソニックさんの機器、我々の人起点のサービスをセットにして輸出して行けたらビジネスは非常に大きくなるんじゃないかなと思うし、利用者の価値も大きいと思います。そこにチャレンジできたら面白いですね。
── エレクトリックワークス社も電材でグローバルシェアトップを狙っていますしね。北村さんはいかがですか。
北村 小島さんがグローバルなら、私はセグメンテーションですね。今こういうソリューションで展開してるのは大手の大きなビルオーナーですが、目指さなあかんのはやっぱりデファクト化。インフラとしてこれが当たり前という状態にすべきだということです。みなさんコロナ環境でスタバで仕事するとか、買い物途中に働くとか、動線がものすごく変わってきましたよね。そうなるとこれからワークプレース(働く場所)の考え方がどんどんマージされてきて、オフィスというよりワークプレースの幅が広くなる。そのときにこの事業がデファクトスタンダードの道筋になるというイメージです。
── 都市やビルの設計そのものが変わっていく。
北村 これまで、オフィス、商業、コンビニ、カフェとセグメンテーションを切っていたのが変わっていくんちゃうかと。昨今いろんなお客様と話してると、人が生き生き仕事ができる場所ということになると、「ワークスペースの中に運動ができるところがある」というより、ビルの中にいろんな顧客体験機会があるものを目指されているということがありありとわかる。ならそれをデファクト化すれば、セグメンテーションを切らなくても、シームレスにサービスを展開できるんちゃうかなというのがぼくの夢です。
── 現実になっていきそうな夢です。最後に佐藤さんいかがですか。
佐藤 個人的にはその先にある「マイノリティ・リポート」のような世界観を想像しています。映画で出てきたのは犯罪予知でしたが、「快適さの予測値」を出して、ワークプレースやあるいは家の候補を出してあげるといったレコメンドまで行きたい。近未来SF的世界観をここからスタートして、生活圏にまで展開していけたらいいなと思ってます。
── いいですねえ。その世界線ならトム・クルーズも平和に生きられそうです。X PLACEのこれからに期待しています。
(提供:パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社)
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。5歳児と1歳児の保護者です。Facebookでおたより募集中。
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