週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

4人乗れてオープンにもなる贅沢なBMW「M440i xDrive Cabriolet」は車中泊もできる

2022年12月03日 15時00分更新

オープンカーだけど車中泊できる! そうBMWならね

 さて、2座オープンカーにできなくて4座オープンカーにできること。それは車中泊です。2座オープンカーでも寝られることは寝られるのですが、背もたれを完全に倒した方が寝やすいのは誰が考えても明らかです。ということで、試してみることにしました。まずはシートを完全に倒します。ほぼフラットに近い状態になりますので問題はありません。足元も十二分に広いです。

 ですが、ここからが問題です。いざ寝ようとエンジンをオフにして、クルマの中からロックをかけても、室内のイルミネーションやナビ画面、メーター画面が消えないのです。これはBMWなりの親切機能なのですが「このまま電気がついた状態で寝たら、朝にはバッテリーが上がってしまう」と心配になります。「これはどうやったら消えるんだろう?」と考えても、消える気配がありません。

 心配になりながら待つこと約5分後。まずナビやメーター関連が消灯します。ですがイルミネーションは消えません。室内はちょっと怪しい雰囲気に。

 それから約3分後にイルミネーションが消灯。完全に暗くなりました。

 もちろんドアを開けるとすべてがやり直しになります。ちなみに寝心地はBMWということで快適。シート幅が広いこともあってか、翌朝、体がバキバキになることはありませんでした。

 一夜明けて、窓は結露で真っ白に。車中泊した場所は山の中で、夏なのに肌寒さを覚えるほど。さらに雨が降るという結露にとって好都合の状況。ですが結露するということは、車内の断熱効果が高いことの証左ということで、内気循環での冷房+デフロスターをガン回しして取り除きました。

性能をひけらかさないが
走りの良さがにじみ出ている

 M440iはBMWの至宝、シルキーシックス(直6エンジン)を搭載しています。言うまでもなく素晴らしいわけで、それは以前試乗した時にも感じたこと。ですがオープンカーというフォーマットに載せることで、さらに感動的な自動車体験へと誘います。

 シルキーシックスの息吹を感じながら山道をまったりと登坂すると「このクルマ、ホントに素晴らしいな」と感動しきり。シルキーシックスは、400PSをひけらかす走りではなく、こうした走りにこそふさわしいのではと思った次第。クーペは積極的にスポーツモードにして楽しむことを正義であると思っていたのですが、カブリオレではスタンダードこそベストだと感じた次第。

 運転していて感じるのは、視界の広さです。近年の日本車で見かけるルームミラーとナビの間が狭くないということが、これほどまでに運転を気持ちよくさせるとは! ルームミラーついでにいえば、幌を閉じた状態の視界も普通車並みで不満はありませんでした。

 気になる燃費ですが、高速道路でリッター15kmを上回りました。街乗りでは7km前後といったところ。ガソリンはもちろんハイオクです。3リットル直6ターボというパッケージからは想像できる燃費でしょう。すこぶる良いわけではありませんが、悪いわけでもないのです。

 高速道路でいえば、運転支援も優秀。イマドキ当たり前の機能ではありますが、それでもメーカーによって完成度にバラツキはあります。その中においてBMWは輸入車ではかなり進んでいる印象です。渋滞時のハンズオフにも対応しているようなのですが、残念なことに渋滞に遭遇することがなく試せませんでした。ですが、過去3シリーズで試したことがあり、これはスゴいと感心したことを覚えています。

 もともとグランツーリングは、貴族が行く先々で教養を身につける大旅行という意だったとか。となると家族全員が土地の空気に触れながら快適に移動できるM440i カブリオレは、まさに現在のグランツーリングカーではないでしょうか。ルーフ付きのクーペモデル、M440i グランツーリングの存在を知りながらも、こちらこそグランツーリングの名に相応しい、そんな気がしました。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事