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【写真家レビュー】マクロと30倍ズーム搭載 Pixel 7 Proは処理能力が向上、グーグルAIの底力を感じる

グーグル「Pixel 7 Pro」

 2021年にPixel 6 Proを数ヵ月に渡って試用してレビューしたが(「カメラ機能を重視するなら「Pixel 6 Pro」は有力な選択肢【写真家 鹿野貴司レビュー】」写真家 鹿野貴司「Pixel 6 Pro」テストレポート」)、今回は後継機であるPixel 7 Proのカメラ機能について紹介する。

象徴的なレンズバーは「トリプル背面カメラ」に進化

 サイズやデザインに大きな変化はないが、3つのレンズが並ぶ背面の「レンズバー」は、黒づくめの帯からメタリックのフレーム付きに変わった。黒づくめは味気ないというか、それがレンズであるということがわかりにくかった。風景を撮るときには関係ないが、人物を撮るときは相手に「こっちを見て〜」といいながら撮るときが多い。そんなとき「こっち」が黒づくめの帯では、相手も撮られているという感覚が薄くなるように思う。小さなことだが、こういうところで写真は違ってくるのだ。そこにグーグルも気付いたのか、はたまた違う事情なのか。

 メインカメラが50メガピクセル、望遠カメラが48メガピクセルのそれぞれクアッドベイヤーセンサー、そしてウルトラワイドカメラが12メガピクセルのセンサーという点はPixel6 Proと変わらず。記録される画像はどのカメラでも12.5メガピクセルだが、メインカメラと望遠カメラでは4画素を1画素に混合。4画素はそれぞれ露出を変えており、つまり混合された1画素は非常に階調が豊かになる。

 日陰やくもりなどメリハリのない場面ではこの処理による恩恵が大きいと感じた。反面、夕焼けの風景など明暗差が激しい場面では、明暗差を埋める処理が強いようにも感じる。露出(明るさ)やホワイトバランス(色温度)をスライダーで調整できるので、一律に強く処理をかけるのではなく、同じようにスライダーを設けてくれたらいいのになぁと思う。

夕陽と日陰を両立させようとして、やや不自然な印象になってしまった。もっともこれをミラーレス機や一眼レフで撮ると、夕陽が白飛びするか、土手が真っ暗になる。情報を極力残るという考え方は、それはそれでアリなのかもしれない

日陰など光が乏しい状況では、実に豊かな階調再現を見せる。クールなイメージを表現したくて、ホワイトバランスのスライダーを寒色方向に動かした。ちなみにメインカメラのデジタルズームとなる2倍で撮影しているが、1倍と画質の差はほとんど感じられない

そのままでも納得のいく仕上がりだったが、少しだけメリハリをつけたくて、「編集」の中にあるフィルタで「アルパカ」を選択

こちらはフィルタの中からコントラストが強めな「フィルム」を選択。さらに暗部を締め、日陰らしく見えるよう青みを足した

 スライダーといえば注文がひとつ。細かいところではズームを切り替えるために0.5倍、1倍、2倍、5倍の小さなボタンが表示されているのだが、これがうまく真ん中をタップしないとスライダーに変わってしまう。たとえば2倍にしたくて「2」を押したつもりが、スライダーが表示されて指標は1倍のまま。2倍にするには、そこからスライダーをいじらなければならない。しかも、このスライダーをボタンに戻す方法がよくわからない(一旦違うモードにすれば戻るが)。重要な部分だけに、もっとボタンを離すか大きくするといった配慮がほしい。

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