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三菱、集中してないと風を浴びせてくるエアコン「霧ヶ峰 Zシリーズ」

2022年11月02日 12時00分更新

 在宅業務に慣れてサボるコツもわかってきた昨今、集中力が切れたことを察し、集中をうながしてくる進捗管理担当のようなエアコンが登場しました。

ルームエアコン「霧ヶ峰」 Zシリーズ 
発売日 2023年2月予定
想定実売価格 27万8000円前後から
三菱電機
https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2022/1101.html

 三菱電機が11月1日に発表した「霧ヶ峰 Zシリーズ」は、人の感情を推定して運転を変える機能を搭載した次世代型の ルームエアコン。新開発のバイタルセンサー「エモコアイ」と温度センサー「ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)」を組み合わせ、自動運転時の気流制御を高度化します。また、仕事や勉強に集中しやすい室内環境をつくり、それでも集中していないと風を浴びせて集中をうながす「フレッシュモード」も搭載しました。

 三菱のエアコンは、回転動作する赤外線センサー「ムーブアイ」で室内の人や部屋の床温度をとらえて気流を制御するのが特徴。最近は「ムーブアイ mirA.I.+」として、室温の変化を先読みするAI機能も加わっています。

潜望鏡のように見えるのが赤外線センサー「ムーブアイ」

 2023年モデルはムーブアイが気流を変えた結果、人の「気持ち」がどう変化したかをバイタルセンサー「エモコアイ」で確認し、快適な気持ちになるよう気流制御する「おまかせA.I.自動運転」モードを搭載します。

 たとえば暖房運転をしているときは、初めにムーブアイが人のいるところを中心にして温風をあて、人に当たらないようにフラップを動かし風よけをします。そのときにエモコアイが心拍から人の気持ちを読み、「まだ風が来るな(リラックスできないな)」と思われていると判断したら、さらに大きく風よけをして当たらないようにするといった形です。

エモコアイが入っているところ。運転状況などを照明で表示する

センサーの動作イメージ。(左)「ムーブアイ」が温度をとらえて、(右)「エモコアイ」が心拍レベルから集中度を判定している

 同様にエモコアイを使い、仕事や勉強の集中度を高める「フレッシュモード」も搭載。集中しやすいように室温を少し下げて運転した上で、居眠りをしているなど集中度が落ちているなとエモコアイが判断すると、風をあてて覚醒をうながします。別売りの換気ユニットを取り付ければ、室内のCO2濃度を下げ、さらに集中度を高められます。

「くつろぎ」「集中」など気持ちに寄り添った運転にするというもの

 エモコアイは三菱が9月に発表したセンサー技術。24GHzマイクロ波によるドップラー式センサーで室内にいる人の心拍データを計測した上、周波数解析によって、「集中度」「リラックス度」「眠気度」「疲労度」などを判定します。半径6メートル範囲にいるすべての人が対象で、室内に複数の人がいるときには合成周波数を解析します。

エモコアイ。富士通コンポーネント、カレアコーポレーションとの共同開発

 たとえばA.I.自動モードなら、自動運転で気流を制御した結果、気持ち(心拍)がどう変化したか確認するためにエモコアイを使う形。興奮している人がいたら「頭を冷やせ」と言って冷風を浴びせるとか、そういうことではありません。あくまでも気流制御の精度を高めるためにエアコンが答え合わせをするような機能になっています。

 ちなみに猫や犬は人間とは心拍の周波数特性が異なるため、同じ部屋にペットがいてもエモコアイの動作には影響しないそうです。

デザインが新しくなったリモコン

「A.I.自動」ボタンを押すとエモコアイを使った自動運転になり、「セレクト」ボタンを押すとフレッシュモードになる

 これまでも三菱の強みであるセンサーが高度化して、ついに人の気持ちを読むようになったというわけです。心拍から判定するということは意識にのぼる前の気持ちをとらえることもありそうで、うまくいけば気付かないうちに快適になっていたということになるのでしょう。

 とりわけ空調で集中するための環境をつくるという発想が面白く、ワークブースに入れたり、クルマに入れて居眠り運転を予防したりと応用例が広がりそうです。実際どこまでの精度で気持ちを判定できるものなのか、ちょっと試してみたくなりますね。

 

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