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内閣官房「イチBizアワード」協力協賛企業レポート

地理空間情報のオープンデータによって社会に貢献する

2022年11月14日 16時00分更新

この記事は、内閣官房による地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト「イチBizアワード」に掲載されている記事の転載です。

オープンデータが災害の原因究明を進める

ヘリコプターやビジネスジェット機を軸とした「航空事業」と、国内屈指の計測技術を駆使した「空間情報事業」という2つの事業を核に展開する朝日航洋。素人考えではドローンを飛ばせば比較的安価にさまざまなデータを収集できそうな気がするが、それは狭いエリアでの計測での話だ。航空機はより高速で飛行距離が長く広域を一気にレーザーやカメラでデータを収集できるため、自社でヘリコプターをはじめとした航空機を保有していることが大きな強みとなる。

朝日航洋のヘリコプター

自社で航空機を所有しているため、計測にもメリットがある

朝日航洋空間情報事業本部営業統括部の角方奏世氏は、「事業が多岐に渡るのでもちろんこれだけではありませんが、現在、空間情報のオープンデータとその利活用に力を入れています。たとえば何か突然災害があった際でも、その場所の空間情報がオープンデータとして公開されていれば、現地に行って新しくデータを測定しなくてもすぐに専門家の方が原因を調べられるようになります」と言う。

2021年7月3日、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生して26人が犠牲になった痛ましい事故が発生したことは記憶に新しい。そして、土石流の原因は盛り土にあったと早い段階に判明したことは、空間情報データのオープンデータ化があったことが大きい。

空間情報事業本部営業統括部の佐藤 勲氏は、「静岡県が進めている『VIRTUAL SHIZUOKA』構想において、静岡県全域の空間データを取得・保管・オープンデータ化する取り組みがありました。災害後、専門家の有志で構成されたサポートチームがオープンデータを分析して、すぐに土石流の原因が盛り土にあるのではないかということを突き止めることに成功しました」とオープンデータ化のメリットを語る。

航空レーザー計測

2019年と災害が発生した2021年の静岡県熱海市伊豆山地区の航空レーザー計測の比較

仮にデータが存在していたとしても公開されていなければ、分析は後手後手に回らざるを得ない。データの有無を確認して利用許可を得るには手間と時間がかかるからだ。

朝日航洋のインタビュイー

朝日航洋空間情報事業本部営業統括部の角方奏世氏(左)と佐藤 勲氏(右)

新たな広がりを求めて

朝日航洋の空間情報事業は、単にさまざまな地理空間情報を収集するだけではない。情報を「どう利用するか」が重要であり、そのために利用者が地理空間データを自ら操れるためのツール(GIS:地理情報システム)も多数提供している。また、国策として官公庁はそれぞれが持っている地理空間情報を積極的にオープンデータ化していくという流れになっているが、実際はオープンデータ化してもどう活用していいかは専門家でなければわからない。そこで、朝日航洋はオープンデータ活用の支援にも力を入れている。たとえば、自治体職員に向けて行政課題を解決するワークショップを開催。各部門で持っているオープンデータを組み合わせることによって新しい表現を生み出し、それを地図に落とし込むことで問題解決への気づきを与えるといったものだ。

QGIS

朝日航洋が実施した、無償で利用できるオープンソースソフトウェアの地理情報システム「QGIS」のワークショップの様子

内閣官房は地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト「イチBizアワード」を今年から開催しており(応募はすでに終了)、2022年12月6日~7日に開催される「G空間EXPO2022」にて発表・表彰する予定だ。

佐藤氏は「弊社の空間事業本部としては、主なお客様が官公庁系になるのですが、その枠からなかなか飛び出していけない部分が非常に多くあります。事業拡大していくには新しい商品を考えなくてはなりませんし、新しいお客様とのお付き合いも必要です。今後、イチBizアワードを通して、今まで蓄積した技術やノウハウを他業種の方と連携して新しい世界に飛び出していければと思っています」と期待を寄せている。

(提供:朝日航洋)

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