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Sonosのサウンドバーを聴く、コンパクトなのに満足度が高い「Ray」と「Sub Mini」の組み合わせ

2022年10月09日 09時00分更新

エントリーと侮れない本格的なサウンド

 音はエントリー機種と思えないほど良い。コンパクトな筐体に関わらず、しっかりとした低域に支えられた充実したサウンドを聞かせてくれる。音調はスッキリとしており、解像感も中々のものだが、ギスギスした印象がなく、長時間聴いていても負担にならない。スッキリしつつもゆったりとした、やわらかく音に包まれる感じが心地よい。

 音は専門のエンジニアがセオリーに則って開発したものに感じる。過度な誇張や破綻がなくニュートラルだ。後述するように低域が少し強めに出るバランスだが、音楽から映画までソースやジャンルを選ばずに対応できる力があり、オールラウンドな活躍が期待できる製品だ。

 本体には合計4つのスピーカーを内蔵している。中央に中音域と低域を担当するミッドウーファーを2基、左右に高域を担当するツィーターを2基並べたスピーカーアレイになっており、中央のユニットはセンタースピーカーとしても機能する。高域は指向性が高く、音の広がり感に影響するので、ウェーブガイドを利用してより広い範囲に放射。セリフなどは明瞭かつ定位がはっきり決まるように調整されている。低音は、バスレフポートで強化。小型筐体にも関わらず、非常に豊かな量感が得られるのが特徴だ。

 トーンバランスは中域から中高域にかけては基本的にフラット。高域はよくばらず、緩やかに減衰し、聴きやすく耳障りにならないよう仕上げている。低域は100Hz付近に少し強調感があり、やや盛っている感じもあるが、ここも過度にならないバランスにうまくまとめている。しっかりと厚みのある低域の上に、聞き取りやすい中域、きつさを感じない高域が乗る。米国のコンシューマー製品に多い、ピラミッドバランス的な調整と言えるだろう。

 また、音の抜け感が非常に高く、特に声の再現に優れるのは注目したい点だ。映画でも、テレビ番組でも声の聞こえやすさはとても重要である。本機はクリアでハッキリと内容が聞き取れるのがいい。

 音の広がり感も優れていて、77インチの大画面と組みあわせても、まったく見劣りしないスケール感があった。設置したのは8畳ほどのリビングで、Rayとの距離は2m程度。壁の反射などもうまく利用しているのか、本体の幅よりもかなり外側に音が広がっている感覚が得られた。サウンドバーのため、画面に近づきすぎるとテレビの下から音が鳴っているように聞こえるが、離れればその感じは和らぐ。セリフは広がらず中央に定位し、音の位置関係が把握しやすい再生音だった。

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