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「iPhone 14 Pro」か「iPhone 14」か現地発表会で触って考えた(西田宗千佳)

3年ぶりに発表会とハンズオンイベントが、アップル本社のスティーブ・ジョブズ・シアターで開催された

 9月8日、3年ぶりにスティーブ・ジョブズ・シアターで開催されたアップルの新製品発表会は、ハンズオンイベントに関しては「完全にコロナ前のやり方に戻った」と言って差し支えない。写真を見ると、日本的な感覚でいえば「うわ、密だ」と思うのではないだろうか。だが、少なくとも、表面上、現地でそのことを気にしている人はほぼいない。相変わらずプレス同士での「静かな戦い」が繰り広げられていた。

プレス同士での「静かな戦い」が繰り広げられていたアップルの新製品発表会

 特にiPhone 14および14 Proシリーズに絞って感想をお届けする。

Pro搭載「Dynamic Island」の使い勝手は?

 プレスの注目が集まっていたのはどのiPhone 14か? 筆者の感覚では、やはり注目は「iPhone 14 Pro」だった、と思う。

iPhone新製品がずらりと並べられ、プレス関係者が体験。体験する台の上に製品が立てられている風景も以前と同じ

iPhone 14 Pro。左がゴールドで右がディープパープル

同じくiPhone 14 Pro。左がスペースブラックで右がシルバー

iPhone 14。左からブルー、(PRODUCT)RED、パープル、スターライト、ミッドナイト

 今回の製品はカラーバリエーションこそ変わったが、デザインに大きな変更はない。そうするとどうしても、「Dynamic Island」という新機能の搭載されたProシリーズの方をちゃんと試したい……という気持ちになるのは自然なことかと思う。ハンズオン会場には14 Pro Maxのテスト機材が若干少なめであったようで、こちらのチェックが大変だった……ということもある。

iPhone 14 Pro(右)とiPhone 14 Pro Max(左)。カラーはディープパープル

iPhone 14 Pro。カラーはゴールド

同じくiPhone 14 Pro。カラーはゴールド

iPhone 14 Pro Max。カラーはディープパープル

同じくiPhone 14 Pro Max。カラーはディープパープル

iPhone 14 ProのDynamic Island

 では、Dynamic Islandについての筆者の感想はどうか? 正直、動きはおもしろいと思った。黒い領域のサイズとしては、ノッチより少し小さくなったくらいだと思う。単純に面積を減らすなら、パンチホール+短いバー、というやり方もあっただろう。

 実際、黒いバーの上に何かが表示されるわけではなく、左右や下にポップアップするだけなのだが、Dynamic Islandは「黒い部分をデッドスペースと感じづらくなる」のがおもしろい。

 従来、ノッチはあくまで「ノッチ」であって、そこは意識の中で無視するような場所だった。iOS15までは通知が上から表示されていたので、「ノッチを無視しつつ、通知が下に出る」感じだった。

 だがiOS16では、基本的な通知は「画面の下側から出る」ようになり、ノッチの部分はあまり見なくなる。さらにDynamic Islandだと、音楽再生やタイマー、ライドシェアの到着タイミングなど「比較的長く注視し続ける情報」はDynamic Islandの方にコンパクトに表示されることになる。

発表会映像より。ヘッドホン装着時にはこのような表示に

同じく発表会映像より。Face IDでの認証時の表示。笑顔のバックが「黒」になっていて、うまくDynamic Islandが紛れている

ハンズオンより。音楽再生中にタイマーが動作しているとこんな表示

写真撮影でカメラが動作している時の「ドットインジケーター」は、Dynamic Island内に表示されてわかりやすくなった

音楽再生とタイマーが同時に動作している時の表示。左端の表示は、再生中の音楽のアルバムアートだ

 正直なところ、画面に「穴が開く」のはコンテンツを楽しむ上でまったく好きではない。パンチホールであろうがDynamic Islandであろうが、あくまで「これで我慢するしかない」というレベルの存在だ。ノッチがDynamic Islandなったからといって、それだけでiPhone 14 Proを選ぶ理由にはなりづらい。

横にした時のDynamic Island。「穴」と感じてしまう点は結局変わらない

 とはいえ、無視するくらいしかなかった黒い領域にちゃんと機能を与えた、という意味ではDynamic Islandはアリだと感じている。iPhoneの変化としては「あっていい」ものだ。

 問題は、アプリの対応がどこまで進むかだ。アップル説明員の話によれば「そこまで難しく、大規模なものではない」ようだ。単に表示されるだけなら特にアプリの変更は必要なく、特別なアニメーションや表示を加える場合、今後公開される開発情報を活かして作り込む必要がある、という形になるという。

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