2013年に発売された名作が、PS5クオリティーでフルリメイク!
『The Last of Us Part I』プレイレビュー、リメイク版とリマスター版を比較して感じた驚きの変化
国内外で高い評価を得たサバイバルアクション「The Last of Us」。人類と感染者がせめぎ合う終末世界で描かれる極限のサバイバルや、モラルを問う重厚なストーリーが特徴的だ。数あるゲームの中でも、プレイ中に感情が激しく揺れ動いた唯一の作品だ。何度恐怖を感じ、何度心打たれたことか……。
このたび、PlayStation 5向けとしてフルリメイクされた『The Last of Us Part I』が、2022年9月2日に発売された。シングルプレイ用ストーリー本編に加えて、追加エピソードの「Left Behind -残されたもの-」も収録されているため、プレイボリュームは高い。
2013年に発売された第1作および追加エピソードのストーリーはそのままだが、PS5のエンジンで再構築されたグラフィックにより、オリジナル版とは異なるプレイフィールが得られるはずだ。
本記事では『The Last of Us Part I』のプレイレビューをお届けする。
約9年の時を経て復活した「The Last of Us」シリーズの原点
「The Last of Us」は、謎のウイルスによって多くの人類が死滅した終末世界が舞台。残された人類は、かつて人間だった"感染者"や集団暴徒らと対峙しつつ、文明の復興を求めて生存し続けていた。暴力と悲哀、絶望に満ちあふれた世界で、人類はどういった道を歩むのか。またどのような選択を取るのか。絶望しかない世界を生き抜こうとする、人類たちのドラマに引きこまれる。
主人公は、忌まわしき過去を背負う運び屋・ジョエルと、ある謎を抱えた少女・エリー。ジョエルは、とある人物からエリーを目的地へと運ぶ依頼を受ける。これが2人の出会いだった。旅を通して2人の絆が少しずつ深まっていくのだが……。生まれも境遇も異なる2人が、どのような過程を経て絆を深めていくのか。そこが本作の魅力であり、本作を"傑作"たらしめる理由の1つといえる。
もう1つの魅力は、サバイバルアクションだ。限られた物資を使って敵を倒したり、戦闘を避けたりして危機を打破していく。基本は戦闘かステルスのいずれかで、どのように攻略するかはプレイヤー次第となる。場合によっては敵をせん滅する必要も。とはいえ、戦闘でもステルスでも常に臨機応変な行動が求められるため、闇雲に突っ込むプレイは逆に難しいと思われる(難易度設定によっては不可能ではないが……)。
本作における強力な武器は「銃」なのだが、弾丸に限りがあるので使いどころが難しい。加えて、近接武器は耐久度があり、何度か使うと壊れてしまうのだ。本作を初めてプレイする人は、物資を確保・節約することの大事さを学ぶことになるだろう。
また、容赦を知らない敵の存在も面白さのポイントとなっている。敵は暴徒と化した人間に加えて、凶暴な感染者も脅威的だ。暴徒は知能が高く、ジョエルたちを見つけ次第、フォーメーションを組んで対処しようとする。遮蔽物に隠れるだけでなく、隙をついてジョエルたちに奇襲を仕掛けてくることもある。
一方、感染者は暴徒よりも知能が低い反面、集団で襲いかかってきたり、致命的な攻撃を仕掛けたりしてくる。とくに「クリッカー」と呼ばれる感染者はかなり厄介な存在で、クリッカーに掴まれたらその場でゲームオーバー(即死)になる。多種多彩な敵に対してどのようなアプローチを仕掛けるか。攻略の幅が広い戦闘も本作の魅力といえる。
以上が、『The Last of Us Part I』の主な概要となる。ステージやキャラクターのビジュアルの刷新や操作性の改善、PlayStation 5の機能を使った演出などはリメイク版の持ち味だが、第1作の面白さは不変だった。
次のページでは、リメイク版の特徴を紹介する。
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