解像度下げも必要な「ELDEN RING」
続いては「ELDEN RING」で検証しよう。画質は“低”とし、自動調整機能もオフとした。マップ“リムグレイブ”中の一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
上位3GPUの傾向はFF14やPSO2NGSの結果と変わらない。GTX 1630で快適プレイを狙うなら画質を最低にしても厳しいので、さらに解像度を下げるという工夫が必要になるだろう。ちなみにGTX 750 Ti環境では起動すらしなかった。
フルHD/60fpsプレイならギリギリ行ける「Forza Horizon 5」
「Forza Horizon 5」では、画質を“最低”に設定。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
GTX 1630はGTX 1050 Tiに負けてしまうものの、差は小さめに収まっている。また、GTX 1630の最低フレームレートが60fps弱である点に注目したい。フルHDで60fpsプレイがなんとか期待できる感じだ。ただ、このゲームの最低画質だと道路の見え方がだいぶ違う(特にウエット表現がオミットされる)ので、風景を楽しみつつプレイしたいならGTX 1650以上を選び画質を上げることをオススメしたい。
ゲームの最適化不足感もある「MONSTER HUNTER RISE」
最後に試すのは「MONSTER HUNTER RISE」(MHR)だ。画質“低”に設定し、マップ“大社跡”の一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測する。
MHRで画質“低”にすると、かなりドット感が強くなる(レンダースケールが強制的に下がる)。画質の影響が大きいぶん、Ryzenの内蔵GPUでもかなり高いフレームレートが出ているが、ここでトップに立ったのがGTX 1050 Tiだったというのが驚きだ。GTX 1650と1630はGPU負荷が上がらずフレームレートが出ない。
この現象の原因は掴めなかったが、ゲーム実行中のGPU負荷(GPU Core Load)やGPU Powerを見てみると、GTX 1650や1630では画質“低”設定で負荷がまったく上がらない(=電力も増えない)。エンジンの仕様上の問題、あるいは単にTuringに対する最適化不足などが考えられる。そこで画質を“中”に設定して同じテストを実施したのが次のグラフだ。
画質“中”設定だとGTX 1630でもGPU負荷が上がるため、きっちりと素のGPUパワーに応じたフレームレートが出せる。GTX 1630なら、60fpsをキープしたままプレイすることが可能だ。このゲームの画質“低”設定はジャギー感が非常に強いため、中設定以上でのプレイをオススメしたい。
まとめ:GTXを冠するだけの力はあるが
ファーストチョイスで選ぶGPUでは(現状)ない
以上で簡単ではあるがGTX 1630の検証は終了だ。現時点での内蔵GPUの頂点である、Ryzenの内蔵GPU(Radeon Graphics)よりも1.5倍から2倍のパフォーマンスが期待できる。内蔵GPUでゲームをしようと思ったらちょっと厳しい……という時のリリーフというポジションだろうか。
こういうスペックでも安ければ売れるのが現状だが、昨今の円安傾向をモロにかぶった価格設定にならざるを得ないのは残念極まりない。今回の結果を考えると、ほぼ同価格帯で手に入るGTX 1050 Tiがあるならそちらを選んだほうが若干高速だし、3万円まで予算を増やせばもっと強力なGTX 1650が手に入るし、そのすぐ上にはDLSSが利用できるRTX 2060がある。ゲームに真剣に向き合いたいならGTX 1650より上のGPUを選ぶべきだろう。
冒頭で述べたように、GTX 1630は内蔵GPUが貧弱な旧世代PCの救済用GPUである。電源ユニットへの負担も小さく、補助電源なしの設計ならポン付けでいける。GT 1030等と違ってNVEncが使えるため、動画編集アプリなどでハードウェアエンコーダーを利用することもできる。
ゲームだけならRadeon RX 6400のほうがはるかにコストパフォーマンスが高いが、NVEncが使える、ディスプレー出力が3系統と多い、さらにPCI Express x16でリンクするので旧世代CPUにも優しいなど、GTX 1630にも評価すべき点は残されている。ただそのコストパフォーマンスが評価されるのは、もっと先になるだろう。
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