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5年ぶりの"30"番台、Turing世代ローエンドGPUの実力は

2万円台からのGeForce GTX 1630は買うべき?ゲーム性能でコスパを考察

2022年07月08日 14時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

“30番台”では初のNVEnc搭載GeForce

 GTX 1630はGTX 1650と同じTU117ベースのダイを使っているため、改めて語るような技術的新要素は皆無である。CUDAコアが512基と少なく、メモリーバス幅が64bitに狭められているなど、ローエンドモデルならではのスペックになっている。そのぶんクロックを高め(特にメモリーのデータレートが高い)にすることで調整されているが、CUDAコアが512基なので既存のGTX 1050 Tiよりも描画性能において下であることが示唆されている。

GTX 1630と、その近傍の製品とのスペック比較

「GPU-Z」でGTX 1630カードの情報を拾ってみた。Resizable BARには対応しないためDisabledになっている。ただ、2022年7月7日時点ではGPU-ZがGTX 1630に対応していないため、表示されている情報が正しくない可能性もある

カードのTGP(Total Graphics Power)は補助電源コネクターなしで運用できる上限の75Wに設定されている

 先ほどGTX 1630には技術的新要素はないと述べたが、1つだけ注目すべきポイントがある。それはGTX 1650と同じハードウェアエンコーダー、NVEnc(第6世代、Volta)が組み込まれている点だ。従来の30番台(GT 730や1030)には、デコード用のNVDecは搭載されていたが、NVEncは非搭載だった。ライバルとなるAMDのエントリーGPU「Radeon RX 6400」では、NVEncに相当するRME(Radeon Media Engine)のハードウェアエンコーダーが非搭載であることを考えると、GTX 1630の面白さが際立つだろう。

 描画負荷の軽いゲーム(「VALORANT」や「CS:GO」、インディーズ系ゲームなど)の録画やストリーミングはもとより、動画編集アプリ等でNVEncの支援を得たいが予算がない、といった時に役立つ。ただ、H.265のBフレームには対応しない(NVEncの第7世代以降で対応)のが少々残念だ。

 ちなみに、現時点で価格的に競合するGTX 1050 Tiと比較すると、NVEncは同じ第6世代だが、NVDecはGTX 1630の方が1世代新しい(第4世代)ため、微妙に対応コーデックが増えている。

NVIDIA公式のNVEnc/NVDec対応表より抜粋。GTX 1630はNVEncを搭載しているが、GTX 1650と同じ第6世代であるためH.265のBフレームには対応しない

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