“30番台”では初のNVEnc搭載GeForce
GTX 1630はGTX 1650と同じTU117ベースのダイを使っているため、改めて語るような技術的新要素は皆無である。CUDAコアが512基と少なく、メモリーバス幅が64bitに狭められているなど、ローエンドモデルならではのスペックになっている。そのぶんクロックを高め(特にメモリーのデータレートが高い)にすることで調整されているが、CUDAコアが512基なので既存のGTX 1050 Tiよりも描画性能において下であることが示唆されている。
先ほどGTX 1630には技術的新要素はないと述べたが、1つだけ注目すべきポイントがある。それはGTX 1650と同じハードウェアエンコーダー、NVEnc(第6世代、Volta)が組み込まれている点だ。従来の30番台(GT 730や1030)には、デコード用のNVDecは搭載されていたが、NVEncは非搭載だった。ライバルとなるAMDのエントリーGPU「Radeon RX 6400」では、NVEncに相当するRME(Radeon Media Engine)のハードウェアエンコーダーが非搭載であることを考えると、GTX 1630の面白さが際立つだろう。
描画負荷の軽いゲーム(「VALORANT」や「CS:GO」、インディーズ系ゲームなど)の録画やストリーミングはもとより、動画編集アプリ等でNVEncの支援を得たいが予算がない、といった時に役立つ。ただ、H.265のBフレームには対応しない(NVEncの第7世代以降で対応)のが少々残念だ。
ちなみに、現時点で価格的に競合するGTX 1050 Tiと比較すると、NVEncは同じ第6世代だが、NVDecはGTX 1630の方が1世代新しい(第4世代)ため、微妙に対応コーデックが増えている。
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