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明治が新ブランド設立でフェムテック領域参入、どんなブランドになる?

2022年06月13日 17時00分更新

明治が、新ブランド「明治 フェムニケアフード」を立ち上げる

 明治が、新ブランド「明治 フェムニケアフード」を立ち上げ、フェムテック・フェムケア市場に進出すると発表した。合わせて、ウェブサイト「Femlink Lab.(フェムリンクラボ)」を公開している。

 同ブランドは、あらゆる年代やライフステージにおける女性特有の健康課題に対し、「食事でサポートをする」という新しい選択肢を提供する食品になるという。現時点でその詳細は明かされていないが、第1弾商品を、2022年秋から全国で順次発売予定。

 新ブランドの狙いと成り立ちはどこにあるのか。本事業の中心メンバーである吉田菜々絵氏に聞いた。

食品で手軽に健康課題のケアを

ー新ブランドの「明治 フェムニケアフード」は、いつ頃始まったプロジェクトですか。

吉田「5年ほど前のことになります。当時、新商品の開発検討をしていました。なかなか思うようなアイディアが得られない中、ふと担当を同じくするメンバーと、生理前や生理中の症状の話題になったんです。そうすると、私が思っていたよりも女性に特有の悩みを抱えているメンバーが多いことに気が付きました。そこで、食品という手段で、女性に特有の健康課題を手軽に美味しく解決できないかと考え始めたことがきっかけです」

ー開発メンバーは、女性が中心だったのですか。

吉田「当初は、8対2で女性メンバーの方が多い状況でした。プロジェクトが立ち上がってからは、メンバーの入れ替えなどもあり、いまはおおむね半々くらいの比率になっています」

ー女性特有の健康課題をサポートするというコンセプトに対して、男性メンバーからどのような反応があったのかに興味があります。

吉田「当初は『自分では体感ができないので、どのように開発を進めればいいのかも想像しにくい』という意見は多かったですね。『女性特有の健康課題に関する情報が、ふだんなかなか耳に入ってこない』ですとか」

ーそういった意見は、商品開発やサイトの制作に影響しましたか。

吉田「はい。男性目線の意見があったことは、とても助かった部分です。男性メンバーの意見を取り入れることで、初めは『女性の健康課題を解決する』だけをテーマとしていたところに、社会や、組織の目線を踏まえて、社会全体の課題として捉えていくという目線も加わりました。その考え方をベースとして、社会全体で女性特有の健康課題について考え、理解を深めていくことを目的として立ち上がったのが、Femlink Lab.です。商品を売りたいといった目的からは切り離されていて、企業として、啓発活動をしていくという性質を持ったプラットフォームになっています」

社会全体で女性特有の健康課題について考え、理解を深めていくことを目的として立ち上がったのが、Femlink Lab.だ

ー「社会課題として捉える」というのは、具体的には、どのような考え方を意味するのでしょう。

吉田「例えば、症状が出たときに適切に対処できないと、症状が重くなり、思うように活動ができなくなる……それを『労働生産性の低下につながる』という視点で見ることもできるのではないかと思います」

ーなるほど。課題を見る視点を変えることで、これまで考えようとしてこなかった層が興味を持つということはありそうです。

アクションはできなくても、理解はできる

吉田「昔、月経に関する課題を解決するアプリを作ろうとした人が、投資家にまったく相手にされなかったという話をきいたことがあります」

ーあり得そうな話です。

吉田「最近では、フェムテックという言葉も耳にする機会が増えて、成長領域ということで意識されることも多くなってはいると思うのですが」

ーフェムテックという言葉が一般的に使われるようになって、その言葉を起点に考えるようになった人もいるように私も感じていますが、生理に関する話題を、避けるような雰囲気が社会全体で醸成されている感じは、まだまだ色々なところに残っているようにも思います。そのために、本来は困る必要のないシーンで困ってしまうということも、気づかないだけで起こっているのではないかなと想像することがあります。

吉田「その通りで、普通に話題にできれば、問題になる前に解決できるということも多いと思います」

ー後学のためにもうかがいたいのですが、生物学的な男性は、どのような姿勢で女性の健康課題に向き合ったほうがいいと思いますか。

吉田「性別を問わず、まずは知ることが重要だと感じています。女性は、知ることで食品に気をつけたり、生活スタイルを見直すといったアクションが取れますし、男性は、痛みを自分の身体で感じることはできなくても、どんなメカニズムがあるのか、女性の身体の中でどのようなことが起こっていて、どんな症状があるのか、それによって、どんな影響が出てくるのかを理解することが大事なのかなと思います。身近なパートナーのことを改めて思うことにもつながるのではないでしょうか」

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