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マネージドサービスの利用拡大を図る

Red HatはLinuxの会社だと思っていたが、こんなことも……

2022年05月02日 09時00分更新

アジャイル文化の定着を支援していく

 そして、3つめの「アジャイル支援事業を拡大」では、日本の企業に対するアジャイル文化の定着を支援する取り組みをあげる。

 岡社長は、「この1年は、アジャイル能力を身につけたいという企業が増え、本気のアジャイルが増えている。これが、競合他社との差別化要因になるという声が多く上がっている」とする。

 レッドハットでは、Red Hat Open Innovation Labsを展開し、経営層との対話を通じて、アジャイルを深く理解してもらう取り組みを開始。ユーザー企業の経営層との議論を経て、複数のスクラムチームを組成して、社内に取り組みを拡大していくことを提案する。「Red Hat Open Innovation Labsに参加する企業数が爆発的に増加しており、そこからも、レッドハットに対する期待を感じている」とする。

 また、レッドハットは、SAFe(Scaled Agile Framework)の認定を受けており、ビジネスアジリティを展開するためのフレームワークを提供できる点も差別化になるとしている。

パートナー戦略の強化

 2022年度においては、パートナー戦略も強化する。

 オープンハイブリッドクラウドを実現するために、ハイパースケーラーや国内パートナーとともに、クラウドサービスやHCI、ISVソリューションなどの豊富なコンテナサービスを提供。パートナー向けに17種類のトレーニングコースを無償提供し、デジタル人材の育成を支援するという。

 さらに、最上位のパートナープログラムとして、Premier Businessパートナー制度を開始。共通ゴールに基づくビジネスプランの合意や、パートナーごとの専任チームをアサインし、特定案件の集中支援、アジャイル人材の育成支援、共同マーケティング活動を行う。異なるクラウドを活用するユーザーにも一貫したサービスを提供し、オープンソースの技術革新を安心して導入できる環境を整えるという。

 Premier Businessパートナーには、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTデータ、NEC、日立製作所、富士通の5社が参加するという。

オープン・オーガニゼーションを社内に浸透させる

 レッドハットでは、オープンオーガニゼーションを社内に浸透させるという。

 「オープンオーガニゼーションとは、オープンソースのコミュニティの手法、考え方を、組織論や経営論に適用していく考え方である。それによって、レッドハットをワクワクする会社にしたい」と語る。

 「自他成長に向けた姿勢や心構えの3カ条」を打ち出し、「お互いを尊重し、協働し、サポートする」、「結果に対して責任を持ち、自ら進んでアクションする」、「変化を楽しみ、ポジティブに受け入れる」を掲げている。

 「社内では、『誰がなにを言ったのか』と場合には、『誰』には固執しない。『なに』を言ったのかが重要であり、それをアイデアにして、いいものにしていくという空気を社内に生みたい。また、自らアクションを起こし、間違ったら軌道修正をし、それが許容される会社にしたい。お互いに対するリスペクトが高い環境にすることも大切だ。これらは、すべてオープンソースコミュニティの考え方をベースにしている。こうしたことを徹底すれば、自然と働きがいのある会社になれる」と語る。

 レッドハットは、企業ミッションとして、「お客様、開発者、パートナー企業の懸け橋となり、オープンソースのチカラで、優れたテクノロジーを創り出すこと」を掲げている。そして、日本においては、「日本のお客様のビジネスアジリティをオープンなテクノロジーによって支える企業を目指す」とし、岡社長は、「レッドハットに対するお客様の期待は、ここにあると考えている」と語る。

 オープンソースを出自とするレッドハットは、成長を遂げ、ビジネスが変化しても、オープンコミュニティの基本姿勢は忘れない。

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