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Qi充電やアクティブノイキャンにも対応する高性能ゲーミングイヤフォン

ROG初の完全ワイヤレスイヤフォン!ROG CETRA TRUE WIRELESSはゲームも音楽も臨場感抜群

2022年04月29日 11時00分更新

情報量重視かつカスタマイズ可能なサウンド
ノイズキャンセリングも強度選択可能

 ここからはROG CETRA TRUE WIRELESSの性能を検証する。まずはANCの効果をテスト。本製品は、イヤフォンの外側と内側に周囲の騒音を認識するマイクを搭載したハイブリッドANC方式で、ノイズキャンセリングの精度を高めている。また、ノイズキャンセリングの効き具合を“ヘヴィーノイズキャンセリング”と“ライトノイズキャンセリング”の2段階から調整可能だ。

実際の装着時の様子。本体をタップすることで、ノイズキャンセリングやその他の操作を行なえる

 実際にROG CETRA TRUE WIRELESSを電車内に持ち出してみると、走行時の轟音を上手く低減する効果を確認できた。名前の通り、ヘヴィーノイズキャンセリングは騒音低減効果は強めだが、再生中の音楽などに若干の違和感が出る。ライトノイズキャンセリングは効果が弱まるが違和感はほとんどなし。周囲の音を聞ける”アンビエントサウンド”やオフにも切り替えられるので、利用環境に応じて切り替えて使うと良さそうだ。

 ANC設定の切り替えはイヤフォン側面のタップで行なえる。なお、そのほかの一部操作もタップだけで対応できる。左イヤフォンを1秒間タップでボイスアシスタント呼び出し、2回タップでANCモード切り替え、3秒間タップで手動で追加デバイスのペアリング設定、5秒間タップで電源オフが可能。

 右イヤフォンは、1回タップでメディアの再生/停止、2回タップで曲送り、3回タップで曲戻し。1秒間タップでゲーミングモードオン/オフ、3秒、5秒はそれぞれ左と一緒でペアリング設定、電源オフに対応する。通話着信時は2回タップで応答、1回タップで通話終了、1秒間タップで着信拒否になる。モード切り替えはすべて英語ボイスで音声が流れるので分かりやすい。

主なタップ操作はARMOURY CRATEから確認できる

 続いてROG CETRA TRUE WIRELESSの音楽リスニングの音質をチェック。

 実際にサウンドを体験して驚いたのだが、ROG CETRA TRUE WIRELESSは10mmのASUS Essenceドライバーのおかげか、音楽リスニングにも向いた高音質サウンドだ。例えば、YOASOBI「群青」のような女性ボーカル曲では歌声が自然に立ち上がるうえに声のニュアンスも優しく出るし、コーラスの音空間の広がりが耳元の後ろに回るほどサウンドフィールドが広い。

 一方、BTS「Dynamite」のような重低音とリズム重視の男性ボーカルの楽曲を聴いても、歌声はひたすら情報量重視。サウンド的にはノリ重視よりも繊細な音を聞かせるタイプで、低音はやや肉厚に鳴らしてくれる。

 一昔前のゲーミング向け製品は、高音域と低音域が強調される一方で中音域が弱めな、いわゆるドンシャリのイメージがあった。しかし、ROG CETRA TRUE WIRELESSのサウンドは真逆で情報量重視かつ音場型の高音質。サラウンド効果を設定しなくても耳の後ろ近くまで音に包み込まれるサウンドは、今どきのFPS系ゲームで求められる再現性を意識したバランスなのかもしれない。

 ただ、これはあくまでデフォルト状態の音質セッティング。ROG CETRA TRUE WIRELESSは、ARMOURY CRATEから音質面のプリセット設定、さらに個別のイコライザー設定も可能だ。

 ARMOURY CRATEの音質関連の設定項目は、デバイス毎に違いがある。ASUSのROG Phone 5 Ultimateでは、音質関連はスマホ側の「オーディオウィザード」を呼び出す形で連動し、バーチャルサラウンドも設定可能。そのほかのAndordスマホでもバーチャルサラウンドは利用可能だが、イコライザーの設定メニューはオーディオウィザードより少ない。iPhoneではバーチャルサラウンドの設定がないようだ。

ASUSのROG Phoneでは、オーディオウィザードを呼び出して詳細な設定が可能。デバイスによって設定項目が異なり、一般のAndordスマホでは高音域の調整メニュー、iPhoneでは高音域/ベース双方の調整メニューがないようだ

 音質設定はお好み次第だが、今回使用したROG Phone 5 Ultimateでは周波数帯域ごとのイコライジングが効くうえに、独立した「高音域」と「ベース」の設定がある。高音域は特に歌声の立ち上がりのシャープさ、ベースでは最大まで上げると音が歪むほどのパワー重視にもカスタマイズできる。

 また、バーチャルサラウンドの効果が音楽リスニング用としても面白く、歌声の聞こえる位置が遠くなり、頭の周囲で音楽が流れるような体験を得られる。デバイスにもよるが、1度試してみて欲しいセッティングだ。

「原神」「Call of Duty Mobile」でテスト
ゲーミングモードで低遅延化も体感

 ROG CETRA TRUE WIRELESSの本命とも言える、ゲームプレイ時の音質もチェックしてみた。

 まず、アクションRPGの「原神」をプレイしてみると、何よりもROG CETRA TRUE WIRELESSの音質としての素性の良さが際立つ。オーケストラで収録されたBGMがしっかりと音空間を作って広がり、敵キャラの上げる声やスキルの効果音など情報量の多い戦闘時の音声もしっかりと伝わる。環境音などのオープンワールドRPGの世界の広がりを感じる臨場感もある。声優によるキャラクターボイスも、優しく声のニュアンスも伝わるため音質面では大満足だ。

 Bluetoothで接続するワイヤレスイヤフォンには付きものの音声遅延については、ゲーミングモードオフの状態では主人公の剣を振る際のシュッという風切り音が若干遅れる。ゲーミングモードオンに切り替えてみると、音の遅れは半分程度に収まるので、ゲームプレイ時にはオンを推奨する。テスト動画で調べてみると、オフの状態では100~120ms程度の遅延が、オンでは50~60ms程度に収まっているようだ。

ARMOURY CRATEの設定画面下部にある「Gaming Mode」をオンにすると、音声遅延も抑えられることを確認できた

 対戦FPSゲーム「Call of Duty Mobile」もプレイしてみると、やはりROG CETRA TRUE WIRELESSは音に包まれる感覚があって臨場感をしっかり感じる。本作は対戦FPSのなかでもBMGが音量大きめに流れるタイトルだが、BGMと銃撃の音をセパレートしつつ、迫力たっぷりに戦場の雰囲気を作り上げる。斜め後ろといった銃撃の方向、距離感もしっかりと把握してプレイできた。

 なお、ゲームプレイの際にもARMOURY CRATEによるイコライザーが有効だ。バーチャルサラウンドを使うと個々の音の粒立ちはやや弱くなるが、背後方向の音の再現や距離感は認識しやすくなる。またプリセットのFPSモードでは若干高域が強めになり足音が聞き取りやすくなる。ゲーマーが把握したい音情報に応じてカスタマイズできるところも本製品の面白さだ。

 ゲーミング向けのワイヤレスイヤフォンとして登場したROG CETRA TRUE WIRELESSだが、予想以上に高音質で音楽リスニングでも通用する作り込まれたモデルだ。ゲーミング的なサウンドチューニングや機能はARMOURY CRATE側でカスタマイズ可能なので、必要に応じて使い分けられるところも優秀。普段は音楽リスニングや動画などでも活用しつつ、スマホゲームもしっかり遊びたいというユーザーにも推奨したいモデルだ。

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